第107話 後−34 武国、その後2 と ドアマンのいるレストラン


なんか、福田さんが王宮に入ってから、王様の仕事がかなりはかどり、結構好き勝手する時間が増えたそうな。

で、今回の西の国の件もあって、同様に西の国から少なくない被害を受けている農国にも「どうよ?」と声をかけたらしい。

もしかしたら西への遠征は合同軍になるかもよ?とのこと。別個では無く合同というのは、

「東武領、小館軍といずみ軍がいるから」だそうな。

東武領軍が指揮とれば、武国軍(その他の参加領軍)と農国軍も素直に指揮下に入るだろう、だって。

泉さんがんばってなー

「おい、お前も参謀だぞ?」泉さん

「へ?やですよ、俺なにもできないっすよ?」

「最凶だか最強だか言われている小館子供隊を作った、って思われてんだから仕方なかろう?」

・・・・

「んじゃ、、行くだけですからね?」俺


農国は所持船腹数は多いけど、船足が遅い通常の船ばかりなので、海戦になったら武国軍が闘う。なので、合流地点は西の国の沖合になるそう。


「でも、まだ我が国の戦艦が揃っていないので、あと半年以上かかるでしょうかね?」と番頭さん

情報のプロが言うんだから、まーそーなんだろーなー、と。


機密を話しているので、使用人はいない。なので番頭さんがお茶(紅茶)のお代わりを淹れてくれている。

茶菓子もちゃんと出ており、バタークッキー。農国のおいしいやつ♪

泉さんがばくばく一人で食っちゃったんで、これもお代わり山盛りにしてくれた。


農国と武国のひとの軍のおエライさん達は、もう数度会合をもうけているらしい。

ちなみに武国のときの会合場所は王宮ではなく、小館の迎賓館だそーだ。王様の指示とかではなく、両軍のおエライさんたちの希望とかだそーで、、、

有名なの?

「農国の人は、あの宿の作りがすごく気にったようです」

へぇ、、熊、すげーな国際的になっちゃってるねー


「そうですね、

と、番頭さんは俺のつぶやきを拾い、

「なんでも農国王様の離宮の建築を頼むとかどーとか、話が出ているとか、、、」

まじか!

「ほう、熊も大したもんだな、、学が来なかったらその才能も埋もれてただろうけど、、」

・・・・


「さて、東武領ですが、平穏です。そのようにたまに農国などから来客が迎賓館に訪れるくらいで、領内は平和だとのことです。」

・・”など”からぁ?(俺)

でもなんか怖いから、つか、めんどくさそーなんで訊かない。


「小館村も、いずみ村も、今まで通り皆問題もなく平和に暮らしています。そうそう小館の角川さん?王宮の警護部隊に入りましたよ?」

「「はっ????」」

「”奥”の警護です。なんか、将軍が奥様と小館の離宮に滞在中、奥様が角川さんを気に入り、武芸にも秀でているので、是非姫のお付に、と願われたそうです」

なにやったんだろー、あの子、、


「・・・・」泉さん

思い当たること多すぎ、、って顔しているけど、、。うん聞きたくない。


「あと、農国から商会を通して送ったものはもう届いて、”皆して美味しく頂いた、作れるように努力してみる”とのことです」

「おお!やった!!カレー食えるか?!!」

「小館風になってたりしてな、、」泉さん

「・・・・・・なんか怖いこと言わないでください、、でもあの女性陣なら!」俺

「いや、アレだから、いろいろ余計な事しそうなんじゃないか?」

・・・・・

「まぁ、、カレー屋もできるでしょうし、、、」俺

「だな、、そっち行って食えばいいよな」


いや、ダメダメ前提になってんじゃん、、


番頭さんは能面でそれらの話を聞いていた。

過去になにか例でもあったんだろうか、、それを思い出しているかんじもしないでもないんだが、、聞きたいとは思わないんで、スルー。


「まぁ、、新しい食べ物はむずかしいですからね・・」番頭さん

やっぱあったんだ!!失敗例!!最後まで成功しなかった例がっ!!!



「武国のことはその程度です。では、泉殿、学殿からなにかございますか?」番頭さん


「あー、、ケーキ屋はどう、、おっほん、、こちらの食べ物屋とかの武国進出に関しては?」泉さん

「ケーキとカレーに関しては、こちらの組合から数人が行きたいと手が上がり、その時点で将軍様に報告したら、翌日には全員分の店が確保されたと、折り返し連絡来ました。こちらの職人達はもう武国に到着し、活動始めているでしょう」

「「やったね!」」


「ただ、カレーの汚れ避け(ハラル)に関しては、武国ではまだ対応できないので、ムッサリムではない者達になりましたので、、、」

「まぁ、今はまだ仕方がないですね、、。武国も多種多様には慣れているんで、時間をかければいずれは、、」俺


「あと、飯、、こっちの飯が武国でも広まらない?」俺

「そうですよねぇ、、、でも修行にこっちに送ったら、戻らないだろうし、、」番頭さん

やっぱそう思うよね?

「んじゃ、こっちの人を向こうに送るとか、、」

「うまい飯作る人って、人気ある食堂だから、、、」

「そうかー、来てくれる客を放り出しては行けないよなぁ、、」

「そうなんですよ、、私も機会があると話してみるんですけどねぇ」

こっちできてからさほど経って居ないはずなのに、もうそうゆう行動しているの?流石情報畑!!


まぁ、それは仕方がないかぁ、、


泉さんは、王様からだという旅費を受け取って、商会をあとにした。



「なんかー、、あれっすねー、、」

「あー、あれだなー、、、」

俺ら思った以上に手厚くされてるんだなぁ、、


で、

やっと今晩、あの紳士夫妻とゴンザレスから聞いた、上品なレストランに行くことにした。


ーー


ドアマンがいるレストランって初めてな!

中に入ると、、


「へぇ、、なんか、俺ら場違い?」

「ああ、まぁ、、美味ければいいよ、、」

なんか反応が変になっている泉さん。


燕尾服のおっさんが来た。

「ご予約ですか?」

「いや、」泉さん


「2名様でよろしいですか?」

「ああ、」

「ではこちらへ、、」


と中程のテーブルに案内された。

(おい、どー反応していいか、俺はわからんぞ?)泉さん

(まーかせて!。伊達にらのべとか漫画とか読んでない。)俺

そういうのを信じた者達がどれほど辛酸を舐めたかまだ知らない学


でも、学は、魔法の言葉だけをそれらから学んでいた。この場合、それだけだったのが幸いした。


メニューを渡され、少々目を通してから、

「うん、食事は、おすすめをお願い。あと、お酒はそれにあわせて、ほどほどのものを。」

(すげーな学、こういう店、よく行ってたのか?)泉さん

(いえ、知識だけですよw)


「承知いたしました。では、白身の魚、ムニエルで、よろしいですか?」

「うん、それで。」

「前菜は水辺のもの、ワインは、、」

「あ、俺ワインだめなんだわ、、」泉さん

「んじゃ、リキュールとかだいじょうぶですかね?」

「?なにそれ?」

「基本、果物とかのお酒です」

「梅酒みたいなものか、、いいぞ」

「んじゃ、リキュールでお願いします」

「はいかしこまりました。デザートはおつけしますか?」

「おう!!勿論!!」泉さん

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