第93話 後−20 人気の人狼の宿改良作戦


で、北のおボッチャまは遠いので、工夫でどうにかしよう。

まず風呂は薬湯とか花湯とか日替わりでやることにした。

農国料理は、目安で2日ひとしなづつ覚えていって増やしていく。

風呂は裏の土地に増設して広くする。余裕があれば2種類の浴槽を。男女で熱いぬるいにわけるんで倍の8つになるが、仕方がない。早速大工にお願いした。


地味だがちゃんとやれば確実に客は固定化されていくんじゃなかろうか?


薬湯の薬は薬屋とスパイス屋をまわって揃えた。花は近くに花屋があるので、そこで相談した。

昼間の空いている合間を狙い、宿の獣人を一人一緒に連れて行った。泉さんは残って手伝い。



「あとは、この薬をお湯に溶いてみて、臭いがどうか?肌にきつくないか?など検証してみるだけだ。みかんの風呂とかも体を温めるんで、冬にはいいぞ。」

「へぇ、風呂もいろいろできるんですねぇ、、」

「うん、風呂は楽しめるんだ。だから客が楽しめればいいんだ」

なるほどねぇ、、と。


「酒を入れたり、ミルクを入れたり、ってのもあるぞ?。酒は体を温めるそうで、ミルクは肌をツヤツヤにするそうなんで、女風呂にいいんじゃないかな?あまり入れすぎると臭くなるし、上がり湯をちゃんとかけないとこれまた臭くなるけどね。」

へぇ、、


などと話しながら帰る。


昼が過ぎてから出てきたんで、まだ夕方には早く、客はいなかった。

「ただいまー。」

「おう、早速風呂ためそーぜ?!」泉さん

暇だったんだろーな?


「まずお湯に溶いて、臭いと肌にどうか?を試してみますから」

そーなのか、、

少々残念そうだが、なんか実験を楽しみにする子供のようになった。


厨房で湯を沸かし、でかめのボールに少々の風呂用に調合した湯薬を入れ、かきまぜる。

「お、桂皮系だな?」

ニッキである。シナモンでもある。

「いい匂いでしょう、さっぱりしているんで、夏向けですかね?」

「そうだな、寒い時期はちょっとな」

次は、


「あまり臭いしないな?」

「手を腕までいれてみてください」

ちゃぽん、、

・・・・・

「お?なんか、あったまってきた?」

「少しの唐辛子と少しの胡椒ですね」

「料理かよ?」

「似たようなもんですねー、素材が高いので使用はわずかで。濃くしたら痛くてたまらなくなるし!!」

「ああ、、、なるほど、、全身で浸かるんだからなぁ、、、たまったもんじゃねーよな?」

そーゆーこと。


金柑、ゆずの皮、など干したものの粉末

「ほう、これも暖かそうな?」

「ですね。日本でも定番だったでしょ?」

「あーあーあー、、銭湯であったわ!!」


あと、薬屋で推奨された幾つかを試してみた。

みな何かの効果がありそう?に感じたし、臭いも問題なかった。


「んじゃ、今日から始めましょう!、まずはインパクトのあるものからにするのがいいっすね」

と、匂いの良いのと、色と、効果がわかりやすいのを最初に順番に、となった。



飯のほうは、シチでいく。修正が効きやすいから。煮込めばもっとうまくなるし。

パンは硬パンで、ごはんも選べるようにする。勿論今までの和食もメニューに載せたまま。


シチに慣れればカレーも覚えやすい。鉄板用意すればチャパティができ、小さい窯を用意すればナンが作れる、焼く時気をつけないとやけどしそうになるし、最初は落としてダメにするのが多いだろうけど、、何事も練習だ。

本場のナンの窯は、その内壁にナン生地をべたっと貼り付けるのだ。火が熾きている最中にやる。焼きあがったら引っぺがして、次の生地を貼り付ける。

なので、チャパティのほうが作りやすい。でも厚めの鉄板、火の加減、油の量、をうまくやらんとあまり美味しくない。

生地の練りは、練るほどいいんだろーけど、、一定以上ならいい様子だ。あまり硬くてもアレだし、粉っぽさが消える程度でいいのではなかろうか?


ネル事に慣れたらパスタも作れるしね。


シチにパスタをいれてもよい。煮崩れしないように注文後にいれられるようにしておけばいいか。


などと、思いついたことをメモしていく。


さて夕食時の用意を始めよう。宿泊客も来るかも知れない。

って、俺達も客だけどなー♪

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