第91話 後−18 農国 ダッシュビール


北の国の出国、農国への入国は問題なく、というより、馬車が馬車で御者が御者だったようで、ほぼ顔パスで済んだ。

農国の最初の街で下ろしてもらった。


泉さんが、ここまで運んでくれた礼に、食事と、今晩の酒と宿くらい提供したいが、、?と、馬車を曳いてくれた6人と御者に言ったが、「すぐ戻ってこいと命令受けているので、、、」と、物凄く後ろ髪を引かれたような感じで泣きながら帰っていった。

「農国の酒、うまいんっすよねぇ、、、、、、」だって。

だから釘さされたんだなぁ、、、外にでると何日も帰ってこないヤツとか多いんだろうな、、

そういえば、小館に来てた部隊も結局1−2ヶ月居たもんなwwwww


「先に指南役に一言言っておけばよかったな、、かわいそうなことしたな」泉さん

「でも、この程度もダメって、、この世界じゃ聞いたこと無いっすから、、仕方ないっすよ、今回だけは」俺

まぁ、なぁ、、と泉さん



で、今回は御者情報ではなく、人狼情報でのおすすめ宿。


「”人気の人狼の宿!!”って、ネーミングがすげーすよね?」俺

「・・・・・・とりあえず入ってみるか?・・どうする?」

泉さんも躊躇する?wwwwおっそろしーな?www


がちゃっ、、ぎー、、

「ちーっす、、」


ひゅー、、からからから、、、


「営業していないみたいっすね?他探しますか、、、」

俺らが踵を返したその瞬間


「待ったー!!!待ってっつ!!お客さんでしょ?!!待って待って、やってるから!!うち、閉めていないからっつ!!」

と、2人の人狼が変態してとびかかってきた!!


いや、逃したくないって気持ち、わからんことないけど、、飛びかかるなよ?


「わーったから!!やめろ!!なめるなっつ!!」

泉さんに飛びかかった人狼が顔をなめまわしている、尻尾ぶんぶん!!


俺の方のは、、つーと、、

「おいこら、、なにひとの脇の下に鼻っ先つっこんでふんふんしているんだ?」


2人とも、ぼこん!と殴られて、今俺らの目の前でおすわりしている。


「いや、、最近ぜんぜんお客さんこなかったんで・・」

「なんか、、人狼の臭いたくさんさせてたんで、、、」


・・・

泉さんと顔を見合わせた


「あのな、ここ、北の国の人狼たちから聞いてきたんだが、、人気無いのか?」

いや、泉さん、直撃すぎるっしょ!!


「人狼には人気あると思うんですが、、、」

ターゲット固定かよ、、


「ひと用のと、どう違うんだ?」

・・

「??どおう??、何が違うんですかね??」

「いや、おまえら、そのくらいもわかってないのか?」

「「だって、、なぁ?」」 顔を見合わす2人(今は二匹状態)


・・・

「まぁ、泊まって見ましょう、2−3日泊まれば何かわかるでしょうから」俺

「え?いいの?2−3日も?」


「そーだな、、紹介された手前もあるし、、人狼だし放置してけんだろう、、」泉さん


ということでとりあえず2泊を前金で払い、部屋に案内され

「この街に風呂ってあるか?」

「え?うちにも在りますよ?すぐ入れます。一階奥に表示してますからわかりますよ」



風呂

ぬるい、、、、

「人狼って、そーいえば熱いのダメでしたよね、、、」俺

「ああ、小館やいずみ村の連中はある程度熱いの好きになったが、普通はダメだったな、、、」


1,風呂を人狼用と人間用にすること



晩飯

・・・・

「おい、、なぜ肉が生なんだ?」

「?おいしいっすよ?!!!」運んできた人狼


2,食事に”ひと用”メニューを作ること。



晩酌

「うめーな!何この酒?」泉さん

「ええそうでしょうとも!!これが農国人気であまり手に入らない”名酒光水”っす!!!」


酒だけはすげー良いものをおいているらしい。


で、他に客もいないんだし、と、一緒に酒飲みながら1,2を改善するように細かに指導する俺達。

「あと、デザートにケーキも置け。農国と言えばケーキ!ケーキと言えば農国!ってーくらいに当たり前だぞ?!!」

と泉さん

「あ、すげーうまくないとダメだからな?この街でトップクラスのケーキを出せるようになれば、それだけでも大繁盛だ!!」


「あ、あと、あなた達、あまり湯に入ってないですよね?狼の姿で。」俺

「「え、まぁ、浴びるときは人間の姿のほうが楽だから、、」」

そ~ユー手抜きがっつ!!!!と、コンコンと小一時間説教をした。

で、説教後すぐ風呂に連れていき、俺が持ってきていたトリミングセットの「獣人用シャンプー」でわしゃわしゃ洗いまくった。

で、

出た後、暖炉に火をいれてもらってそこで乾かしながらトリミング。トリミング用フルセットは当然持ってきている。


普段の食事がいいせいか、かなりもふもふピカピカになった。


「ふーっ、、これくらいかな?」俺


狼姿で自分を舐めてみて、すっげー変わったのがわかったのか、、

びっくりの2匹。


「すげーな?」

「ああ、ここまで、なるんだ、、」

「おう、、おれじゃないみたい・・・」

「どっかのお姫様かと、、、」


「ん?うちの村だとこの程度はまだまだだぞ?」俺

「「・・・・・・・」」

あの

「あの、、どこの村、、っすか?」

「ん?武国、東武領、小館村だが?」


ずざざざざっつ!!

一瞬にして壁際まで座ったまま後ずさる器用な2匹


あの!。ああ、あのっ!!。神の座わす!!。おう、神がしろしめさる!!。

「「おだてむらっつ!!!」」

・・・


「聞いていい?」

「「は、はい、、」」


「お前たちの中で、小館村て、どんなの?」

泉さんはテーブルで肴をつまみながらこの様子を見ている。ぷwとか言いながら。


「モフ☆モフ神に愛された村」

「最凶戦士達の村」

「世界全てを敵に廻しても、楽勝な村」

「全世界の獣人達の楽園」

「間違っちゃ、いないんじゃないか?」泉さん


「そーいうこと言うから、尾ひれ端ヒレが付いてでっかくなってくんですよー」俺


んー、、そのままじゃないかなぁ、、とかぶつくさまだ言っている泉さん


「まぁ、その姿でも宿の仕事できるくらいに毛艶を保てよ?モフ☆モフだと人間の客は確実に増えるからな!!」

「「はいっ!!勿論獣人も増えますネッツ!!」」

まぁ当然だなー


こんな感じで初日終了♪

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