第36話 中−2 それぞれの成長


ジュー!!

ハンバーグを焼いている音である。

王都から帰ってきた翌日。

そんちょの家で、女性陣にハンバーグを教えている。

今回は和風きのこだが、ソースはあとで独自に考えてもらうようにしようと思う。

「カエル肉とかやめてね、あーいうやわっこいのは、あまり美味しくならないから。だから魚とかもあまりうまくないね。」

やりそうなことを先に言っておくことも重要?♪



結局今日はハンバーグとカラアゲの作り方を教えた。

唐揚げは、肉をタレに少しの間漬け込んでから小麦粉につけるようにした。

今晩から子どもたちに出してもらおうと思っている。

ハンバーグも唐揚げも、味付けでいろいろバージョンできるからいいよね♪



子どもたちの訓練。

王都から帰って来てからは、2−3日に1回はカントク役も太狼にやってもらっている。つまり、俺なし、リーダーは太狼のみでの子供部隊の活動、だ。

太狼がトップとして部隊の全体をみなければならない。何かあっても訊ける者は居ない。

だが、王都への小旅行で、もうそろそろタロウが隊長として独り立ちしはじめても良い頃だとわかったから。


ま、俺は次世代の小さい子達をまた俺が面倒みはじめればいいだけの話で、俺のモフ☆モフ天国が無くなるわけではない!!♪

最年長の小館隊の者たちが引退するまで、どんだけ部隊ができるだろう?

8年位で1部隊かな?結構でかくなるな?世界制覇できるくらい?こわいね?よかったね侵略嫌いな武国で。

ま、攻国にいたらここまで強い部隊にならなかったろうけど、、攻国、ぷw



最近は迎賓館も静かだし、、いままでの客は皆人狼族目当てだったんだな、珍獣かよ!くそっ!で、見学だめになったんで来なくなったんだぜ、ドあほうどもが!! まぁカウンターモブ戦略成功でよかったがww。


なので、太狼にまかせた日は、ぽっかりあいてしまうのだった。

人狼が来る以前にもどった感じ?

んじゃ、

釣りにでも行きますか?



でー、川上に歩いていく。

あー、いけすが多くなったなー、いけすといけすの間に魚いそうだなー、餌が流れてくるからねー。

だから余り腹減ってなさそうなので釣れないだろーな?


やってみた。

ぜんぜん、ピクリともしない。つつきもしないってことで、、

仕方がないのでまた川上に、、


ーー


「こらこら坊主達、かめのこをいぢめるんじゃない。」

「はあ?なに言ってんの?おっさん、水槽洗ってるだけだろう?」

「言ってみただけ。おっさんじゃないけどな。そのたわしはかめのこたわしとも呼ばれてるんじゃ」

「あ、以前のおっさんじゃん!!ありがとな、ようしょくできたよ!」

「おう!聞いているぞ。うまくいってるんだってな!おっさんじゃないけど」

「うん、もう村は景気いいよ!温泉もおっさんなんだってな!」

「おう、領主様もお気に入りでな、よかったよ。おっさんじゃないけど」


んじゃな!がんばれよー、と別れて更に上流に。

んー、、完全に渓流だなー、、うなぎもいなさそう、、あ、うなぎだったらうちんちのほうが結構いそうだなー


お?

川の岩陰に潜むなんか。尻尾がみえてますよー?

ふんっ!!

銛で刺して尻尾を川底に固定。

胴体をたぐって、、なんだろ?川蛇とかいるの?ぬめる?いやいや、こんなぶっという、、

うなぎじゃん!!腕くらいの太さの?ありえる?まずそー、、、

でもせっかく捕まえたんだから、とビクに入れる。

んじゃ戦利品できたから帰るかー


帰りにまた子供達のところを通りしな、「ほれ!」と見せたらびっくりしていた。

そのまま歩きだしたら

「お、おっさん、ちょっとちょっと!!」

「何?おっしゃんじゃないけどな?」

「いや、それ、、」

「うなぎだろ?」

「うなぎだけど、大王うなぎ、、」

「なにそれ?」

「「「知らないのかよ!!!」」」

子どもたち大あきれ。

「いや、めったに見ないんだよそれ、つかまえたのなんか俺始めてみた。」

「「俺もー」」

「食えるの?」

「食えるなんてもんじゃねー!!超うまいんだってよ!!売ったら超高値っ!!!」

「、、、、養殖、できるかな?」

「・・・・・普通のうなぎなら、飼ってた者結構居るけど、、」

「うなぎ飼うって、おもしろいの?」

「ちっげーよっつ!!!捕まえてもすぐ喰わないの!泥吐きついでに、ハレの日までとっとくのっ!!」

「おう、高級なのかうなぎ」

「「「そーだよ」」」

「んー、、でも一匹だよ?」

「多分、川にいけす作っていれときゃ、仲間とか寄ってくるかもな?」

「おまえ、責任持ってできる?」

ひそひそひそひそ

「「「やってみる!」」」

んじゃ、とびくごとやる。

「いいか?増やせよ?」

「頑張ってみる!」

「うまく成功させたら、この村すっごくなるぞ?」

「「「おうっ!!!」」」




川沿いは飽きたので、上村抜けて、畑中の道をてくてく帰ることにした。

上村通ってるときも、いたるところで「ガクセンセー」と声を掛けられた。

「ちわ!精がでるね!」とか挨拶返しておいたが、、結構もう顔知られちゃってるの?

そんなにこっちに来ていないんだけどなー

泉さんみたいだったら一発で覚えちゃうけど、、

ちなみに、今日も村人コスだ。いやコスプレちがう。こすちゅーむ、なだけ。村人Aになりきっているつもりなんだがなぁ、、


そーいえば、俺を拾ってくれた恩人おっちゃんち、ここ下った小館入り口付近だったよなー

と久々に寄ってみることに


あ?

昔そこらじゅう原っぱだったのが、、一面の田畑。

おや?

ハイジの小屋(大)だったのが、、ウチ(俺んち)の初期バージョンみたいに小奇麗な、半高床お家に、、トイレも熊式。(ガク式とかいわれるのいやなんで、早々に”熊式”って名付けた)

あ!!

こっけこっけけけー!!

鶏、飼ったんだ!!

まだ2人は畑からもどっていないみたいだったんで、そのまま帰った。

よかったよかった!!俺の恩人夫妻だもんなー、今迄わすれていたけど。


なんだかんだ言いながら、やっぱ暇があるっていいな。と思った。

暇ってのは余裕なんだろう。ありすぎるのもアレだが、無いとまずいもんだろうな。




村の中に入ると、子供隊が狩りからもどってきたのとハチ合った。

「カントクー、いっぱい取ったー」

小さい子が自分の得物、ウサギ3羽を見せる。

「よくやったな!偉いぞ!」なでると喜ぶ。こっちもきもちがいい。子供の髪ってさらさらで気持ちいいよね!

太狼に「ありがとな!この分なら、程なくだな。頑張ってるな!」なでる。この年頃でも、こっちじゃなでられて素直に喜ぶのだ。

なんか自分が年取ってきた、って感じがした。まぁいやじゃないけど、、なんかへんな感じ。



晩飯にはハンバーグが出た。

恐る恐る子どもたちの様子を見ていたが、

結局皆完食。おかわりも多かった。

よかった。

ちなみにきのこの和風ハンバーグでした。

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