第18話 なんかに感謝したいから神作った
人狼軍は人狼の若者たちにとっては憧れになった。
特に領主様の直属となるトップチームは、自分が入る最終目標だそうだ。
飼い主の最も近くに居たい犬、みたいな感じなのかな?とか思ったが、、言わないほうが良いよね。
人狼族の村に何人いたのか?は、ちょうろう自体も把握していない。出入りが頻繁なんだと。結構狼の群れって自由なんだな?そうなの?
60とか80とか、じゃないのかな?とかちょうろう。
若者の20匹・人ほどが、人狼チーム予備だ。二軍以降ということ。
トップチームは人間で言うと青年から中年初期までらしい。経験の多さをそれを糧とできている者達だそうだ。
「村に長居すると、森での経験値が積めないからなあ、、」とトップチームの面々は次世代以降に心配する。
「ガク、二軍の2チームばかり、半年ほど森を遠征してきてくれないか?」とか泉さんに言われたが、俺が死ぬから無理、と断った。「だよなぁ」と泉氏。そうだけど!なんかしつれいだよな!そうだけど!!
なので、泉氏は野上を二軍監督にして、6匹と8匹の2チームを遠征に連れ出した。「それなりになるまで帰ってこない」とのこと。スパルタもいいとこだなー。生き残るために死ぬほどの訓練、かー。
一軍、1.5軍を三つに分け、領都、王都、村、のローテにする予定らしい。今1.5軍を訓練中だと。
残ったミソッカスというか、おこちゃまの補欠チームを俺が見ることになった。
まぁ、遊び相手である。おれはモフれればなんでもいいのだ。
なので、初期の頃の大半の仕事が、毛づくろい、シャンプー、のみ・ダニ取り、だ。
まず見た目。見た目でひとを魅了してこそのモフ!!とか泉さんまで納得させ切った。「汚ねぇより万倍も効果は、そりゃあるよなぁ、、」と。比較がなんかアレだけど!
たまーに熊とか熊チームの子熊(上水担当)とか穴熊(トイレ担当)とかがなんか聞きに来るけどほとんど無視っぱなし!!モフ優先!!
まぁ、子どもたちが寝静まった頃を見計らって、彼らまた来るけどね。
子どもたちに朝食を食べさせた後、子どもたちが村周囲巡回で俺は目付けで同行。昼食後、子どもたちを森に連れていき、狩りで連携の真似事。夕方には戻り、子どもたちを狼形態で風呂に入れシャンプーし、、出たら毛づくろい。食事は3食とも、野菜や魚多めに。
自分がトリマーとか調教師とかに思えてきている今日この頃。
子どもたちの毛艶が、人狼族内でもダントツにモフ☆モフしている件。
そのモフ達を毎日お風呂に入れシャンプーし、拭いて乾かしてからブラッシングしているのが、”俺”な件!!
「し・あ・わ・せ・♪」
「「「「どーしたの?」」」」
「んー?いや、何でもないけど、こう、きれいになったおまえらにブラシかけていると、、幸せだなー、ってなー」
「そうなの?僕もこうぶらしかけてもらうと、きもちいくて幸せだなー」
「私も私も!!カタリーナもそうなのっ!!
「「「僕も!!!
「「「私も
ああ!!こんなところにモフの国はあったのか、、!!
神よ!感謝します!!まじに!!!
と思っていた俺もおりましたっ!!
「次は俺な!ガク殿!」
「その次はおれだから
「何ってんのよ!わたしじゃないっ!!
「あん?順番並べよ?
「あーうるさい! ローテなローテ!!毎日全員できない!俺の担当は本来子どもたちだけだろ?
大人たちもやってやるから、毎日5人づつな!!」
子どもたちの毛艶がすげーよくなったんで、大人たちもおれにやってもらいたいと押しかけてきたのだ。
「ほどほどがいいです、神様、、、限度ちゅーもんをよろしくお願いいたします、、、」
でもなんでジモティ達は俺みたいにできないんだろー?
そんちょ宅女性軍団もカタリーナにブラシかけてたけど、カタリーナは特に彼女たちにやってもらいたい、と言うことはなかった。
「違いはなんだ?」
まぁ、俺にぶらしさせてくれるんだから、贅沢は言わないほうが良い。ぜーたく言ってばちあたって逃げられたらいやだしなー
なので、それから
朝から夕方まで子どもたちの面倒、夕方に子どもたちを洗ってブラシ掛け、大人たちが仕事から帰ってきたら風呂はいってきれいにしてからローテの者達がおれんとこ来て、俺にブラシかけてもらう。
というルーチンワークw
なので、人狼達は、いつでも俺を見ると、尻尾を出してぶんぶん振ってしまう、、ブラシ掛けてもらう気持ちいいイメージが俺を見ると出てくるのだろう、あんてったっけ?パブロフだw
そんちょとかに言ったら絶対ダメだな、パブロフ先生とか言われるぞw
いやー、でも、まじ、モフ☆モフ生活、いいねぇ、、、
なんというか、、いくつもの数え切れない異世界の中でスローライフしている数多の者達の中、俺が最も幸せなんじゃね?
などと思ってました。
雨が降ったので子どもたちの訓練を午前中で切り上げ、飯食わせ、風呂入れて洗ってブラシしていたら、
うとうととして眠ってしまっていた。
雨が降っているからだろうか、狼に変態した子どもたちは無意識に?集まって寝ていた。そのど真ん中で、洗ったばかりでブラシしたばかりの最高のモフり子狼達がおれのところに山盛りになって、俺は寝ていたんだ!!
神かっつ!!!神よっつ!!!!
生涯、俺はこの瞬間を忘れないだろううううう!!!!
生涯、俺はこのことを神に感謝し続けるだろうううううう!!!!
なので、この感激を忘れないように、、
「おにーちゃん、何しているの?」
「んー?モフ神様を祀るところをつくっているんだよ」
「モフ神様?」
「そう、モフ神様。お前たちの毛艶すごくよくなったろう?皆モフ神様のおかげなんだよ?感謝しなくちゃな!だから、”ありがとうございます神様、これからもモフ☆モフでいさせてください!”って感謝するんだよ、ここに」
「ふーん、おにいちゃんがモフ☆モフにさせてくれてるんじゃないの?」
「お前たちと俺達が、出会ったことも、お前たちがこの村に来たことも、お前たちが領主様に忠誠を誓い、この土地に根付け、いろいろ優遇してもらっていることも、お前らが優秀で王様からみとめられた機会があった、ということも、全部その”チャンス”があったからだ。
そのチャンス1つ2つ欠けていたら、今、君たちはここにいなかったかもしれない。
こんなモフ☆モフになれていないかったかもしれない。
だから、その全てのチャンスをくれて、活かせたことを、神様に感謝するんだよ」
「よくわらないとこもあったけど、よくわかったわ!!神様ありがとう!!」
モフ神教発祥の瞬間であった。
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