うんこの達人
昨日昼寝していたら、知り合いの婆ちゃんがうんこを投げて宮殿を作る夢を見た。
俺の婆ちゃんはうんこの達人なんだと友人から紹介されたのだった。達人の婆ちゃんは、洞窟のようなところに住んでいた。半透明のうんこを投げては積み重ね、それで巧みに様々な動物の彫刻を作ってくれた。ぶつかると壁が爆発するうんこもあった。崩れた壁の中から、婆ちゃんが出てくる。振り返ると婆ちゃんは消えている。瞬間移動のイリュージョンだ。僕たちは感動した。
いよいよ宮殿の建設。無造作に投げた(ように見える)うんこが積み重なる。さすがに一日では無理だ。僕は泊まり込みで見守った。翌日、そして翌々日。徐々に形を取り始める白亜の宮殿。原料たるうんこの面影は微塵もない。週末の追い込みは凄まじく、寝て起きると橋ができている、塔が建っている。魔法だ。日曜の朝、窓から外を見ると宮殿があった。
すごい。僕は友人と顔を見合わせ、感激に胸震わせながら、足を踏み入れた。しかし、完璧に見えたこの宮殿はまだ完成していなかったのだ。あと1ブロックの不足のために、僕の足元の橋が崩れた。それを引き金に、宮殿は崩壊した。
ベッドに横たわる婆ちゃん。怪我は大したことはないが、もう宮殿は作れないのだという。わたしも年だからねと笑う。でも最後にいい仕事ができたよ。ありがとう。友人にもお礼を言われたが、僕は謝りたかった。どうしていいか分からなかった。
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