127 私は優しい彼女
私はいつだって優しい彼女。
あなたのDVだって一度も反抗したことはないし、警察にだって相談したことはない。
お金だっていくら貸したかもう分からないけど、催促したことなんか一度もない。
浮気だって問い詰めたことはないし、嫌な顔をしたことすらないはずだ。
……子供が出来た時だって、あなたの言うとおりにした。
そう、私はいつでも優しい彼女。
「おい! 飯まだ出来ねえのか?」
「ごめん、ちょっと待っててね。もうすぐ出来るから」
「ったく、早くしろっつーの」
今日は聞いた通り、あなたの大好きなシチューを作ってる。
……前の彼女との思い出の料理なんだもんね。
何度も作らされてるから、味付けだって完璧に再現できてるはず。
……私は文句なんか言わないよ。
あなたがリクエストした料理だもん。
最期は思い出の料理を食べたいもんね。
ねっ、私は最高に優しい彼女でしょう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます