057 登録された携帯番号

 ――ヴィーンヴィーン――


 振動するスマホをポケットから取り出し、画面を見ると親友である××からの着信だったので取り合えず出た。


「おー、どうした」

「こんにちは。〇〇さんですか?」


 電話に出たのは親友ではなく、女の声だ。


「……そうですけど、どちら様、ですか?」

「あのー……××の彼女です」


 電話口の正体は親友の彼女だった。何故彼女が電話をかけてきたのか分からなかったがそのまま会話を続けてみる事にした。

「まじか! いやあ……知らなかったよ。それで彼女さん、何の用?」

「実は××、浮気しているみたいで……夜〇〇さんも同席で話をしたいんですよ」

「へ? 浮気? てか俺が同席?」

「はい、〇〇さんとよく連絡取ってるようですし親友かなあと思いまして……それに二人で話し合いするのはちょっと怖くて……今日の夜××の部屋に来てもらえませんか?」

「まあ今日の夜は暇してるけど……うん、分かった。じゃあ仕事もあるし、七時集合でいい?」

「はい! 七時ですね! その時間に合わせて準備しておきます! あと部屋の鍵は開けておきますから!」


 そして俺はまんまと殺人犯に仕立て上げられた訳なのだ。

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