003 初めての夜

 テーブルの上にある彼女のスマホから通知音が鳴った。


 彼女は入浴中……疑っているつもりはないが何となく気になってしまい通知画面に目を落とす。どうも友達からのメッセージらしい。『終わったら連絡頂戴ね』って何の事だろう……俺は好奇心に負けトーク画面を開いてしまった。


『いよいよ今日ですなー』

「うん。あー緊張してきたぁ!」

『大丈夫! あんたならきっと出来る!』

「ヤッたことないから心配だよぉ(泣)」

『あたしだってないわ(笑) ネット知識のみ!』

「だよね(笑) てか、やっぱ血ぃ沢山出るのかな?」

『沢山出るみたいよ。場所考えてやんなさいよ』

「へいへぃ。あー早くヤッてみたいっ」

『焦ると失敗するぞぉ』

「ビビらせんなっ(笑) じゃああいつの前に風呂入ってくるー」

『いってらっしゃーい』

「大好きな彼との幸せな生活の為にっ☆ きゃー」

『はよ入ってこい(笑)』


『終わったら連絡頂戴ね」


 彼女めちゃくちゃのろ気てるじゃん。トークを見たことを本気で後悔した……てか、今日するつもりだったのか。あっ、やばい、コンビニ行って買ってこないと……

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