第13話 幕間 お嬢様は変わられました
私ホリナはフランソワの幼少期から仕えて早くも15年になりました。両親がソボール家に仕えていたため、そのままの流れで私はソボール家の長女の側仕えメイドとして育ってきました。
理由は簡単です。私が比較的フランソワ様と年が近かったから。
昔は側仕えというよりかはただの付添と言った感じでしたが、年を重ねると少しづつ関係性は変わってきました。
お嬢様は私をメイドとして見て、私はお嬢様を主として見るようになりました。
プライドが高く、少し高慢な所があるお嬢様ですが、それでもいいところもあり、私は今後も仕えていくつもりです。
そんなお嬢様の様子がここ1週間ほどおかしいと感じる時があります。
自ら起きて着替えたり、料理をしたりと今まででは考えることのできない行動をとられるので私は心配で溜まりません。
特にお嬢様が料理をするといった時は思わず馬車の中で倒れてしまいました。不覚です。
特に今日は今までのお嬢様とは思えないくらいに浮かれていました。自室で一人で化粧を施して、洋服も前夜から気合を入れて選んでおられました。
理由を聞くと「明日は騎士学校との交流日なのよ」と目を輝かせていらっしゃいました。
以前は「将来の近衛なんて群がる中から優秀なのを選べばいい」なんて仰っていましたが、何があったのでしょうか。
そして何より最近私や馬車引きのアレンの事を呼ぶ時の声がとても柔らかくなられました。学院でもあの性格でお友達もできるか正直心配でした。ですが今では毎日楽しそうに通い、夕食の時にその日会ったことを話してくれるお嬢様を見ていると私まで嬉しくなってしまいます。ですが私をハラハラさせるのはもう少し控えていただけると助かります。
何があったかはお聞きしませんが、これからもどうか良い成長を……。
目が覚めると目の前にはお嬢様とアレンと私が住む屋敷の姿が飛び込んできた。どうやらお嬢様を送って行った帰り道に寝てしまったようだ。
「アレンごめんなさい私寝てしまっていました」
馬車の前窓から顔を出して仕事中の同僚に謝罪の言葉を伝えると、アレンは「気にするな」と言って手をひらひらとさせた。
帰ったら掃除洗濯夕食の準備とやることが山積みです。お嬢様のように私も頑張らないと。
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