第4話
「リーダー、サイト閲覧数もかなりの数が行きましたし、SNS上では炎上なんてレベルではなく大炎上状態になってます。」
「怖いほど順調だな。さて、別動隊の様子はどうなっているかな?」
俺はスマホを取り出し、とある所に連絡した。
「今の様子はどうだ?」
「そろそろ片付きそうです。でも、これ本当にやるんですか?」
「やると決めたらやるのが俺たちだろ?今更ビビってんじゃねーよ。」
「分かったよ。あと5分でそっちに素材を送るから待っててくれ。」
「待ってるよ。よろしくな。」
SNS上では徐々に、このサイトでやっている事を糾弾するような流れが起こり始めていた。
「リーダー、SNSでの潮目が変わり始めたようです。面白がっていた連中たちも個人情報だけでなく、コメント内容まで晒している事を問題視して正義感を振りかざす奴らが出て来ましたよ。」
「怖いくらいにこちらの予想通りに動いてくれるな、この国の人間たちは。」
俺は笑いが止まらなくなっていた。
その時、内容は先ほど電話で話していた相手から素材が届いた。
「おい、次のステップに移るぞ。今送る素材をサイトにアップしてくれ。」
「OKです!また、ネットが荒れますね。」
サイトではコメント次第で自分の個人情報が漏れてしまうことが怖くなったのか、コメント欄は微動だにしていなかった。ただ、閲覧者だけはコメント数に反比例するように右肩上がりに伸び続けていた。俺は、『人の不幸は蜜の味』とはよく言ったものだと思いながらマイクをONにした。
「サイトを閲覧の皆様、すっかりコメント欄が静かになってしまいましたが、どうしましたか?匿名でしか強い発言が出来ないなんて、悲しい人たちですね。でも、あなた方が発言した事は実現したいと思っているのが私たちなので、これから皆さんが望んだ事を実行していく様子をご覧いただきたいと思います。」
私の発言が終わると、これまで晒していた個人情報から再び、監禁している様子の配信にサイト画面を切り替えた。
「では、皆さんがコメント欄で一番望まれていたこと、それは『殺してしまえ』という事でしたので、今からご要望通りに殺してきますね。ちなみに、『殺せ』と望んだ方々の一覧は後ほど公開しますので、興味のある方はご覧ください。」
アナウンスが終了した後、ピントを合わせると顔部分を黒い袋で覆われた状態で椅子に縛られた状態が映しだされた。監禁し椅子に縛り付けてられている男の袋を引っ張り、椅子から引き摺り下ろすと、そのまま引きずったまま、絞首刑が出来るように天井からぶら下がった縄に彼を括り付けた。
そして、最後の命綱になっていた足場を蹴り飛ばした。その瞬間、縄に括られた状態でバタバタと暴れ出したため、棒切れで身体中を殴り続けた。
暫くすると、あれだけ暴れていた様子だったのが、まるで嘘だったかのように急に静かになった。
サイトの画面がまた配信の様子から、とある円グラフを写す画面へと切り替わった。
「いかがだったでしょうか?今、見ていただいているのは、コメント欄で投稿された皆さんが望んだ事の内訳です。もう少し皆さんが他人に対して優しさを持っていれば、失わずに済んだ命が一つあったかもしれないのに。そもそも論として、監禁されている人が誰であれ、心配する人しかいなかったら、こんな事には起こらなかったかもしれないのに。非常に残念で仕方ない。」
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