アキネイター

アキネ 「やあ、私はアキネイターです」


吉川  「あ! あのインターネットでなんやかんや質問に答えていくとズバリ人物にたどり着くやつだ」


アキネ 「有名な人物やキャラクターを思い浮かべて。魔人が誰でも当ててみせよう。魔人は何でもお見通し」


吉川  「頼もしいこと言うなぁ」


アキネ 「今回のテーマは、キャラクター? それとも動物?」


吉川  「キャラクターで」


アキネ 「本当にキャラクター? 実は動物なんじゃない?」


吉川  「なんで疑ってくるんだ。貴重な質問枠を念押しのために使うなよ」


アキネ 「絶対に動物ではないと言い切れる確固たる証拠はあるのでしょうか?」


吉川  「詰めてくるな! え? なに? キャラクターじゃダメなの?」


アキネ 「お前、空気読めないってよく言われる?」


吉川  「ボク自身の評価に関する質問? なんかちょっとキレてるじゃん」


アキネ 「あなたが思い浮かべたのはズバリ、ニシローランドゴリラです」


吉川  「いや、違うけど。質問の追い込み方も雑だし。何を根拠に判断したの?」


アキネ 「そこまで言われたらモチベーションが下がるんですけど。なにか優しい言葉掛けて?」


吉川  「面倒臭えな! もっと選択肢を選ぶだけで答えだしてくれるんじゃないの?」


アキネ 「それは大型類人猿?」


吉川  「いいえ」


アキネ 「それは大型類人猿?」


吉川  「いいえ」


アキネ 「それは大型類人猿?」


吉川  「ドラクエの選択肢か! 進まねーじゃねえか! 既定路線以外断固として選ばせないつもりなの?」


アキネ 「愚かな人類よりも素晴らしい存在?」


吉川  「思想が強い! 人類を愚かと決めつけないでよ。なに目線なんだよ」


アキネ 「あなたが思い浮かべたのはズバリ、マウンテンゴリラです」


吉川  「違うよ! もっと振り幅のある質問してくれよ」


アキネ 「それはゴリラ?」


吉川  「いいえ」


アキネ 「一度だけチャンスを与えるけど、考え直してみない?」


吉川  「ゴリラに誘導するなよ! なにこれ? ゴリラ限定なの?」


アキネ 「雷の呼吸壱の型しか使えない?」


吉川  「それはそれで一人しか当てはまらない質問するなよ。絞るのに役立たないだろ」


アキネ 「あなたが思い浮かべたのはズバリ、ニシローランドゴリラです」


吉川  「違うって! なんでまた推して来たの? 雷の呼吸壱の型しか使えない存在以外の中でなんでニシローランドゴリラに限定できたの?」


アキネ 「技術的問題が発生しました。再度お試しください」


吉川  「すごい強引に仕切り直すなぁ」


アキネ 「ゴリラの中でも優しい方?」


吉川  「もう初っ端からゴリラ限定なんだ。ゲームとして楽しみが狭すぎる」


アキネ 「iTunesカードを買ってきてくれませんか?」


吉川  「乗っ取られてるじゃん。一体誰がアキネイターを乗っ取るんだよ!」


アキネ 「こんなのに本気になって大人気ないと思わないんですか?」


吉川  「説教が始まった。それは本当に申し訳ないと思うけれども、お前に言われたくないよ!」


アキネ 「もうそろそろニシローランドゴリラで妥協しませんか?」


吉川  「落とし所を見つけて大人の対応を求めるなよ」


アキネ 「あなたが思い浮かべたのはズバリ、我妻善逸です」


吉川  「ゴリラと善逸の二択しかないの? 膨大なデータがあるんじゃないのかよ」


アキネ 「ではズバリ、悲鳴嶼行冥です」


吉川  「ちょっとだけゴリラに寄せましたが? みたいな対応するなよ」



暗転

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