変質者
警官 「おい、そこのお前」
サンタ 「はい? 私?」
警官 「そうだよ。そこの赤いやつ」
サンタ 「え……。なんでしょう?」
警官 「さっき、近隣のものから不審者がいると通報があったんだ」
サンタ 「不審者ですか。怖いですねぇ」
警官 「まさにお前のことだ」
サンタ 「私っ!? え? いや、だって……あの……」
警官 「いいから。話は別の場所で聞くから」
サンタ 「いやいや、私、不審者じゃありませんよ」
警官 「思いっきり怪しい変装してるじゃん。つけヒゲとか」
サンタ 「違っ! これは、こういう流儀って言うかなんていうか」
警官 「この辺、変質者が良く出るんだけど、それもお前だろ」
サンタ 「違いますって! え? この格好見てピンとこない?」
警官 「ピンと来たから110番されたんだろ」
サンタ 「そうじゃなくてさ。えー? 俺って普通、有名でしょ?」
警官 「なんだ、前科あるのか?」
サンタ 「違う。犯罪で有名なんじゃなくてさ。え? まじで知らない?」
警官 「……前に会ったことある?」
サンタ 「いや、ないですよ。個人的なあれじゃなくて」
警官 「テレビでてるの?」
サンタ 「いや、出てるって言うか、キャラ的にはかなり出てます」
警官 「……コウメ太夫?」
サンタ 「違うよ。なにをどう間違っちゃってんだ」
警官 「ほら、紅白用の衣装かと」
サンタ 「この赤はそうじゃなくてさ、あーもうっ! わざと?」
警官 「とにかく。話は後で聞くから」
サンタ 「変質者じゃないよ! サンタ知らないの?」
警官 「サンタ……。あっ!? サンタって!」
サンタ 「そうだよ。サンタだよ」
警官 「ユースケ・サンタマリア!」
サンタ 「違う! そんな不自然な略し方しないだろ! サンタクロース! OK?」
警官 「NO!」
サンタ 「NOじゃなくて。勘弁してくださいよ。仕事残ってるんだから」
警官 「変質者のか?」
サンタ 「違う! プレゼント配るの!」
警官 「あ、ミニスカの女性が……! お嬢さん、気をつけてください!」
サンタ 「気をつけないでいい! 仕事の邪魔しないでくれ」
警官 「あ、こら! 近づくな!」
サンタ 「メ……めくります!」
警官 「変質者ッ!」
暗転
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