エコロジー

博士 「吉川くん!」


吉川 「はい、今度はなんです?」


博士 「わしは、目が覚めた!」


吉川 「おはようございます」


博士 「そうじゃない! モーニングの報告じゃない!」


吉川 「なんですか、いったい」


博士 「これからはエコロジーじゃ!」


吉川 「また、何か変なもんに影響受けたな」


博士 「ネットには真実が書かれてるからね」


吉川 「やっぱり! ウブすぎるんだよ。なんで真に受けちゃうかなぁ


博士 「それよりさぁ。やっぱこれからはエコロジーの時代だよ」


吉川 「そういうの見たわけね」


博士 「ペットボトルで色々作るの」


吉川 「うわぁ……随分なところに影響受けちゃったな」


博士 「それでね、作ってみたの。ペットボトルロケット」


吉川 「理科の実験の一環じゃないか」


博士 「科学の粋を詰め込んだ」


吉川 「そういうのはエコロジーとは言わない」


博士 「でも、威力はメガトン級だよ?」


吉川 「だよ? じゃない! なんでペットボトルでそんなの作っちゃうんだ」


博士 「来るべき戦乱の世に備えて」


吉川 「備えなくていいよ」


博士 「せっかく作ったんだから褒めてよ!」


吉川 「え……なにこれ?」


博士 「どう? 度肝を抜かれた?」


吉川 「いや、全然ペットボトルロケットじゃない」


博士 「そこがわしの非凡なところだよ。これは、アンドロイドでーす」


吉川 「なんで、無意味に仕事が丁寧なんだ」


博士 「キュートでしょ? 女性型アンドロイドだよ」


吉川 「すごいけどさ! ペットボトルロケットは?」


博士 「ここ、ここ、パイパイ」


吉川 「パ……」


博士 「アフロダイAをモチーフに作ってみた」


吉川 「はぁ、これがメガトン級……」


博士 「このアンドロイドのすごい所は、おなかの部分が収納になってて小物をしまえる」


吉川 「なんでも収納つけりゃいいってもんじゃない」


博士 「海岸で見つけた綺麗な小石とかしまえる」


吉川 「そんなものをアンドロイドの腹に入れてどうするんだ?」


博士 「まぁ、綺麗な胆石みたいなもんだな」


吉川 「喩えが圧倒的に悪すぎる」


博士 「それだけじゃないよ! 肋骨の一部には針金ハンガーを利用!」


吉川 「あぁ……エコロジーか」


博士 「わずか3cmに渡り重要な骨格を担ってる」


吉川 「3cm……かえって無駄っぽい」


博士 「それにしても、このペットボトルロケットは傑作だよ」


吉川 「そうですかぁ?」


博士 「ほら、肌触りといいさ……」


吉川 「いや、なんか、いやらしいな」


博士 「弾力とかも計算されてる。ほら、プニプニ」


吉川 「危ないって! メガトン級でしょ?」


博士 「ヘヘ……プニプニ……」


吉川 「本当にどうしようもない」


博士 「やっぱり最高だな。動画見放題だし。ネットには真実があるわぁ」


吉川 「見てるのエロサイトだろ」



暗転

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