ぺてんし

アンマン

吉川　　　「助けてー！」

アンマン　「とうっ！　アンマン参上！」

吉川　　　「アンマン！　なんか語呂が悪い」

アンマン　「顔が濡れて力がでないよぉ」

吉川　　　「いや、アンマンは湿り系でしょ。初めから」

アンマン　「そうだった。危うくしょっぱなからピンチに陥るところだった」

吉川　　　「先が思いやられるヒーローだ」

アンマン　「蒸されて元気百倍、アンマン！」

吉川　　　「サウナ好きのおっさんみたいだ」

アンマン　「アンだコノヤロー！」

吉川　　　「微妙なボキャブリを出してきた」

アンマン　「必殺！　ア～ンマン○！」

吉川　　　「待て待て待て。なんだその必殺技は」

アンマン　「倫理上伏字にせざるをえない」

吉川　　　「どういう技なの？　すっごい気になるんだけど」

アンマン　「子供も見てるんだぞ！」

吉川　　　「だったらそんな技じゃなくて。パンチとかにしろよ」

アンマン　「著作権の都合上それも難しい」

吉川　　　「なんだか色々と大人の事情にまみれたヒーローだな」

アンマン　「あ、いい技を思いついた！」

吉川　　　「いま思いついたんだ。行き当たりばったりなんだ」

アンマン　「ア～ンマンリキ！　……キリキリキリ」

吉川　　　「すごい！　締め付けてる！　そして地味！」

アンマン　「ほらほら、脳梁が飛び散るぞぉ」

吉川　　　「グロイ！　ちょっと……もっとさわやかに勝とうよ」

アンマン　「ア～ンマンドリル！」

吉川　　　「ドリル！？」

アンマン　「……フゴッ……フゴッ」

吉川　　　「マンドリルか。しかもマンドリルがどんな動物だか曖昧なままモノマネしてる！」

アンマン　「ア～ン～マ～ゾ～ン！」

吉川　　　「え！　アマゾン！？　アンマンにこだわってたのじゃないの？」

アンマン　「ギリギリセーフ」

吉川　　　「セーフなんだ。自分に優しい法律だなぁ」

アンマン　「ア～ンマ機って気持ちよくね？」

吉川　　　「いや、技は？　なんで世間話になったの？」

アンマン　「かなりブルブルしちゃうよね。アンコ漏れるくらい」

吉川　　　「いやいや、そんなにブルブルしちゃダメだよ！　自重しようよ」

アンマン　「やべー。肩こってきた。人助けすると肩がこる」

吉川　　　「え？　なにそれ？　揉めって？　俺に揉めと？」

アンマン　「正義は肩がこるなー」

吉川　　　「うっわぁ。恩着せがましい。別に揉めっていわれたら揉みますけど……」

アンマン　「あんまり強くしないでね。アンコ飛び出るから」

吉川　　　「やなこと言うなぁ」

アンマン　「バカッ！　痛いよ！　あっぶねー。つぶあん出るところだった」

吉川　　　「なんてわがままなヒーローだ」

アンマン　「あんまり痛くするとアンマン○をお見舞いするぞ！」

吉川　　　「……ちょっと興味ある。いったいどんな技なんだ」

アンマン　「まぁ、色々と失うものが多いので出さないけど」

吉川　　　「あぁ……！　ほっとしていいんだか悪いんだか」

アンマン　「期待してんじゃねーよ。バーカ！」

吉川　　　「ヒーローとは思えない言動……子供が見たら泣くぞ」

アンマン　「ガキなんて大っ嫌いだ！　肉マンの味方ばっかりしやがって」

吉川　　　「私怨だ！　完璧に逆恨みだ」

アンマン　「あと、ピザマンとかカレーマンとか、特製中華マン160円とか！」

吉川　　　「そ、そういう方々は友達とかじゃないの？」

アンマン　「あんなやつら友達なもんかッ！」

吉川　　　「ひょっとして……友達とかいない？」

アンマン　「バカ！　いるよ！　主題歌になるくらいいるよ！」

吉川　　　「どんな？」

アンマン　「わりと～空気だけ～が～と～もだ～ちさ～♪」

吉川　　　「いないんじゃん」

暗転