ロボ
ロボ 「本日よりコチラのお宅に派遣されました。R-0B-0、通称ロボです」
吉川 「はいはい。間に合ってますから帰っていいですよ」
ロボ 「早ッ! そして冷たっ! こっちを一瞥もせずに!」
吉川 「一瞥はしました。ただのおっさんじゃん。帰ってくれ」
ロボ 「これでも新開発された便利ロボなんです」
吉川 「とても便利そうには見えない」
ロボ 「あなたはまだ私の真価を見ていない」
吉川 「興味ない」
ロボ 「見ないと身体に悪そうなレーザーとか出すぞ!」
吉川 「なんだその曖昧なレーザーは」
ロボ 「見てよ!」
吉川 「面倒くさいなぁ……何よ?」
ロボ 「ロボ! サバイバルモード!」
吉川 「……」
ロボ 「ウィン、カシーン、キュイイイイ、ガシャン、ウィーン、ぬぷ、ギュヲヲヲヲン」
吉川 「ぬぷは何の音だ」
ロボ 「サバイバルモードに移行完了!」
吉川 「変わってないじゃん」
ロボ 「よく見て。ここ。ほら! 缶切りと栓抜き」
吉川 「……」
ロボ 「あと、爪きりと、はさみと、耳かきと、つまようじも!」
吉川 「十徳ナイフじゃん」
ロボ 「十六徳」
吉川 「どうでもいい! 大体なんだ、サバイバルで耳かきって!」
ロボ 「いいじゃんか! バカ! 耳かいて何が悪いんだよ!」
吉川 「なんで逆ギレなの?」
ロボ 「ったく、やってらんねーよ。もう、お前帰れ!」
吉川 「ここは俺の家だ」
ロボ 「不貞寝するしかねーよ。ったく……どういう教育受けてるんだか」
吉川 「不愉快なやつだなぁ。……寝るなよ!」
ロボ 「Zzzzz……」
吉川 「寝るな! ボケ! 人の話を聞け!」
ロボ 「ロボ! リスニングモーーーード!」
吉川 「またか」
ロボ 「グィン、ガシーン、シャコン、シャコン、シャコン。ズゴゴゴゴ、グィーーン」
吉川 「おぉ! 変形した」
ロボ 「キュィイイイン、グワシーン、ゴキーン」
吉川 「ひざが変形して……」
ロボ 「ギュオオオーン、キュイン、カシーン、カシーン、ガッシーン!」
吉川 「腕の中に!」
ロボ 「リスニングモードに移行完了!」
吉川 「体育座りじゃねーか!」
ロボ 「半径2m以内の大きな音を漏らさずキャッチします」
吉川 「普通だ! それは至って普通だ。何を自慢気に言ってるんだ」
ロボ 「……どう? 便利ロボでしょ?」
吉川 「いったい何がどう便利なんだ」
ロボ 「他にもさまざまな機能が隠されておりまして……」
吉川 「このボタンは?」
ロボ 「あっ! そのボタンだけはダ……」
吉川 「ポチッ。……え? 押しちゃったよ?」
ロボ 「ビービービービービービービービービービービービービービービービービービービービービービービービービービービー……」
吉川 「え? え? なに?」
ロボ 「ロボ、自爆モード。10秒後に半径2km以内の物質を物理的に破壊します」
吉川 「うそ! 冗談でしょ?」
ロボ 「7……6……」
吉川 「ちょ、ちょっとぉ! 待って!」
ロボ 「4……3……」
吉川 「ストップ! 止めて!」
ロボ 「……2……1……」
吉川 「……!?」
ロボ 「ドッキリ☆大成功!」
吉川 「……」
ロボ 「ドッキリボタンでした」
吉川 「……」
ロボ 「今の慌てようったら、最高! プププ」
吉川 「……物理的に破壊します!」
ロボ 「イタッ! 痛い! ……ゴメッ……やめっ……アザになっちゃうぅ!」
暗転
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