2020/08/28『デジャヴとジャメヴ』

 小説を読んでいたら、この二単語が会話の中に登場した。デジャヴはよく創作物や日常でも触れる機会の多い言葉だが、ジャメヴというのは中々聞き慣れない。どうやら作中の説明によると、デジャヴが「未経験なのに経験済のように感じる」のに対し、ジャメヴは「経験済なのに初体験のように感じる」ことらしい。ルビを降るなら既視感デジャヴ未視感ジャメヴだろうか。いやはや興味深い事象だが、デジャヴに比べジャメヴという単語をあまり耳にしないのはどうしてだろう。

 ……しかし、そうか。考えてみれば、「(経験済であるという事実を忘却しているが故に)未経験なのに経験済のように感じる」デジャヴは分からなくもないが、「(経験済であることを自認した上で)経験済なのに初体験のように感じる」ジャメヴというのは、正直理解に苦しむ。頭がこんがらがってきた。一体どんな感覚なのだろうか。経験済なのに初体験とは。やはりこのような不可思議な現象は、陥った当人にしか分からないのかもしれない。僕もデジャヴを感じることは稀にあるけれどジャメヴはないので。

 結局ジャメヴって何なんだァァァァァ。



 と、こんな具合に軽々しく300字を上回る時があるが大目に見てくれると助かる。

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