俺を虐めていた奴らと一緒にTS異世界転生 ~最強(自称)のビーチクスキルで好き放題暴れまわる~
ツインテール大好き
第一章 異世界転生前
本編
第1話 俺はいつもどおり集団リンチされていた
いつだって、俺が追い求めるのは薄桃色だった。
「ぐぅっ……」
全身を襲う鈍く重い痛みに耐えられず、思わずうめき声を漏らす。
放課後の私立
俺をリンチしている連中の一人である
「わめくなっ! この変態野郎! どうして昼休みにメロンパンを買って来いと命令したのにきな粉パンを買ってきたのよ!」
「そ……それは、大豆を摂取したら、ただでさえデカい城崎の胸(推定Gカップ)がもっと大きくなると思って……」
「……っ! どうしてあなたに胸の発育を促されないといけないのよ! まったく……相変わらず自分中心の考え方しかできないのね、この変態は……」
腰まで届くほど長い艶やかな黒髪をなびかせ、呆れたようにため息をつく城崎。
周りにいる他の女子たちも、俺を汚物を見るかのごとく蔑んでいる。
なぜ、俺は虐められるようになってしまったのか。それは俺が転入した日に遡る――
その年、俺は親の仕事の都合で引っ越すこととなり、引っ越し先から一番近くにあった桃高に転校する運びとなった。
去年まで女子高だった桃高、当然2学年の生徒はほとんどが女子である。
俺が転入する2-Bクラスは、全員女子であると、担任となる予定の女教師から事前に伺っていた。
『女性だけの空間で過ごすことになるけど大丈夫?』と両親・担任の双方から何度も訊かれたが、俺は自身の夢の実現を踏まえれば、むしろ好都合であると思っていた。
そして、まさに今日が、転入の日である。
「今日は転入生を紹介します。このクラスにとっては初めての男の子になるので、初めはお互いに戸惑ってしまうこともあると思いますが、助け合って仲良く学校生活を過ごしてください」
廊下で待機している最中、教室のドア越しに女教師の声が透けて聞こえる。
もうすぐ呼び出され、自分以外は女だけの教室であいさつをすると思うと、否応なく心臓の鼓動が高鳴る。
「では、
もう出番か……。
俺は教壇側となるドアを開き、教室に入り込む。
「思ったより悪くない感じだわ……」
「私、タイプかも!」
「あら、ワタクシはお眼鏡にかなう殿方とは思えませんことよ! オーホッホッホッ!」
クラスメイトたちが囁きだす。想像より好感触なようだ――金髪縦ロールのステレオタイプお嬢様を除いては……。
というか現実でお嬢さま言葉を使うやつ初めて見たぞ!? ファンタジー上の生物かと思っていたが女子高では普通に生息しているらしい。覚えておこう。
俺は教壇の隣に立ち、転入のスピーチを始める。
「皆さん。初めまして、
よろしくねー!と生徒のうち何名かが相槌を打ってくれる。
「さっそくですが、俺にはこのクラスでどうしても叶えたい夢があります。それは――」
ごくり、と息をのむクラスメイトたち。
俺ははっきりとした大きな声で宣言する。
「このクラスのみんな全員の乳首を見て、ついでに吸うことです!」
この目標を叶えるのに都合がいい――それが俺が元女子高であることをメリットとしてとらえていた最大の理由である。
男が混じってたらやる気起きないもんなー。いやー、女子だけで助かったー。
などと考えている俺であったが、すぐに異変を感じた。
まるで俺以外の時間が止まったかのように、誰一人として微動だにしないのだ。
あれ? 俺おかしなこと言ったかな? それとも本当に時間が止まっているのか?
だとしたらラッキー!さっそく目の前の子の乳首を拝見しようと考えていると――
「な……なかなか面白い冗談を言う子ですねぇ……。じゃ、じゃあ高梨くんの席は窓際の一番後ろなので、そこに着席してください……」
担任はたどたどしく言葉を紡いで、事務的な連絡を済ます。
続いて、俺の席のとなりに座る黒髪長髪の女子生徒に視線を向けて、申し訳なさそうにお願いをする。
「
部下に仕事を押し付ける上司のごとく言い放つ担任。将来はこういう上司の下で働きたくない――やっぱりおっぱいがデカいから一緒に働きたい!
俺は指定された席に腰を下ろす、すると隣に座る城崎と呼ばれた女がこちらに目線を向けていた。
「どうも! 城崎さん……だったよな? これからよろちくb――よろしく!」
危ない危ない、思わず今思いついたオリジナルのあいさつを使用するところだった。こういうのは仲良くなってから使うのが常識だろう。
「…………あなた、さっきのあいさつはどういうつもりかしら? 今すぐ全員にセクハラで訴えられてもおかしくないわよ」
「どういうつもりも何も、さっきのが俺の人生の目標なんだ! 男なら女性の乳首を追い求めるのは当然だろ? 赤ん坊だって同じ考えのはずだ!」
「赤ん坊だったら男女関係ないと思うけど……。はぁ……論理が飛躍しすぎていて突っ込む気にもならないわ……。こんなのの隣で生活するなんて最悪ね……」
城崎は大きくため息をつくと、まるでこの世の終わりを嘆くように頭を抱えた。
――これが、俺の転入初日の話である。
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