10話:俺はお前をいつでも殺せる立場にあるんだぜ?


バキャ!「「「ぐぎゃああ!?」」」


 目の前にいた奴らを欠伸混じりに殴り飛ばす。

 そこからは…ずっと俺のターン的な展開だった。


 「は……?」


 下條は訳が分からないといった様子の、呆けた顔をしていた。そうすることしかできなかった。

 無理もないだろうな、理解もできないだろうな。

 何せ、数十人もの武装集団が、たった一人のただの男子高校生に悉く返り討ちにされているのだから。


 「ば、化け物…ぎゃああ!」

 「聞いてねぇよあんなの…ごぎゃああ!!」

 「やってられるか、逃げるぞ!!」


 …といった感じで、戦いが始まってからわずか数分で下條が用意した駒どもを全滅させた。


 「さて…最後はお前だな、下條君?」 

 「な…!?おい、誰か!?この男を……ぶげぇ!!」 


 助けを求めて一人逃げようとする下條を捕まえて地面に叩きつけて骨を砕いて自由を奪う。

 

 「ひ、ひぃ…!?」


 恐怖に震え出す下條に、先ほどの余裕は微塵も見られない。


 「さっきまで随分偉そうにしてたくせに、なぁ?」


 下條の腹を踏みつけて拘束したまま、その首を片手で掴み、絞める。


 「が…ぱががっ!!」

 「さて、どうしようか?俺は今、お前をいつでも殺せる立場にあるわけなんだが」


 脅すようにそう言ってやると、下條は顔を面白いくらいに青くさせてぶるぶると首を振る。


 「こんな風にな」


 さらに力を入れて絞めを強くする。筋が切れる音がして、下條はあっという間に死の一歩手前に陥った。

 あと少しで殺せる…ってところで、手を緩めてやる。わざとだ。面白いのはここから。


 「がぱごぼ…!!あ”…!!

 ご、ごめんなさい!!僕が間違ってました!!お願いします、命だけは……だぎゃ!?」

 「はい無視。じゃあ次行こうか」

 

 命乞いを全力で無視。再び首を絞めてやる。

 ミシミシと絞めてやると泡を吹いて苦痛に呻く様を見せてくれて、たいへん愉快でざまぁな光景だった。

 そして死ぬ一歩前のところでまた手を緩めて殺害を避ける。


 「ハァ、ハァ……!ゆ、ゆるじで……えげげっ!?」

 「これで終わると思うな?俺を公衆の面前で侮辱して、柊さんを寝取ろうと画策したお前の罪が、こんなので済むと思うな。

 せいぜい生き地獄巡りでもしてろよクソカス野郎」


 そしてまた首を絞めて拷問する。

 

 そうやって絞めては解除…の生き地獄ループを、何回も何回も繰り返してやった。

 こいつ自身が如何に愚かな発言をしたか、愚かなはたらきをしたかを存分に思い知らせる為に…!

 

 「俺はな、お前やその他性根が腐った男子のような嫉妬して自分を棚に上げて人を貶して寝取ってやるだと言って彼女を安く見て…とにかく俺の恋愛に嫉妬して悪意あるちょっかいかけるクソ野郎が殺したいくらい憎いんだ。

 男なら想い人がたとえ誰かと結ばれてようと、陰ながら祝福してまた新しい恋に挑むっていう気概を持てよな。

 お前らは祝うどころか醜く妬んで、俺を汚く罵って、自分の方が彼氏の価値があるってふざけたこと抜かして、仕舞いにはこっちを物理的に排除しようとする…。


 お前らアンチの方がよっぽど最低でクズてま釣り合わない下種どもだ!お前らよりも俺の方が彼氏の価値がらあるって1億%断言できるわ!

 自分から男の価値を下げてるお前らクズどもよりも、俺がよっぽど男してるんだよクソが!!」


 10数回もの生き地獄ループを体験させたところで俺ははっきりと言ってやった。まぁ肝心のクズ野郎は顔を土色にして白目になりかかってアヘェと泡を吐きながら口を開いてあまり聞いてない様子だが。

 ループ作業も飽きたので、首絞めを解いてやる。頭を踏みつけて脅し口調で要件を言う。


 「いつでも殺せるってのは今限りじゃねーぞ?明日も明後日も休みの日も、食事時もクソしてる時も寝る時も、俺にはいつでもお前を殺すことができる力があるんだ」

 「ひぇ、ひぎぃ…!」

 「お前が今後このようなことを企てた時、また俺が柊さんの彼女に相応しくない的な発言をした時、俺はまたこうしてお前を潰しにくる。

 いつでもだ!今度は問答無用で殺すからな…。


 で?今お前が言うべきことは?」


 頭から足を離して下條に発言権を与える。すると奴はその場で土下座を決めて宣誓をした。


 「に、二度と吾妻様と角瀬さんの仲を割こうなどの愚行は致しません!

 吾妻様には大変なご無礼とご迷惑おかけしてしまい、本当にすみませんでした!!

 ち、誓います!二度と吾妻様には関わらないと…!角瀬さんにも二度と干渉致しません!誓います、誓います……!!」



 ーーーといった感じに、下條本人の言質を取り、録音もした。これを破った暁には、こいつの命はもう消え去っていることになる。

 

 一件落着。


 その後、下條をぶっ潰してからは俺を彼女事情のことであからさまな非難・侮辱・攻撃行為をするクズ野郎は現れなかった。

 俺が絶対にキレさせてはいけない存在であるとすっかり浸透したようだ。

 学校内では二度とアンチは現れなくなった。街中では妬みから俺を蔑む輩はいたが、その都度ぶっ潰してやった。


 これで良い。俺はこれで良いんだ。

 恋愛を祝えないような、嫉妬に任せて人を貶めたり攻撃するようなクズは潰したまえば良いんだ。 

 場合によっては殺すことも俺は厭わない…。




 「秀征君!今日はどこへ行く?」

 「うん、柊さん!今日はーー」


 アンチ勢がいない平和な日常の中、俺たちは今日も柊さんと幸せで楽しい時間を共に過ごすのだったーーー

 


ルート:学校のアイドル fin


 

 

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