あとがき
このたびは「Unravellers(アンラヴェラーズ)―― 解明するもの」不可視の魔物編をお読みいただき誠にありがとうございます。深甚なる謝意を皆様に表します。今回は趣味丸出しで書きました。200%自己満足のために書きましたので、PVも評価もすごいことになりそうな予感です(これを書いているのは脱稿直後です)。そして、珍しく百合じゃない!(笑)
脱稿して、さらにある程度公開してから気づいたんですが、これ少し間延びし過ぎですよね。今にして思えば第7話から第10話あたりはごっそり省いても良かった。もったいつけて怪人の登場を最後まで引き延ばさず、この第7~10話に登場させる手もあった。この間延びし過ぎるのはいつもの私の悪い癖。これからは気を付けます。
今回の拙作のテーマは「円谷特撮を書きたい」でした。しかも巨大ヒーローではない作品です。そう言うと大抵の方は昭和40年代に放映された「怪奇大作戦」や「ウルトラQ」「怪奇劇場アンバランス」などを思い浮かべるでしょう。特に「怪奇大作戦」は傑作の誉れも高く平成になってもリメイク作品が作られる程です。実は私も持ってますDVD。「ウルトラQ」のリメイクは観ていなくて残念。観てみたいですね。
ところが、私が一番痛烈に記憶に残っているのはこれらではなく「緊急指令10-4・10-10」という番組でした。幼い頃に再放送をよく見ていたからでしょうか。これは「怪奇大作戦」を子供向けに煎じ直した作品で、怪奇色はかなり薄められています。
しかし彼ら「毛利チーム」が挑む事件は実に幅広くて。怪獣、宇宙人、人食い植物、吸血怪物、化学物質に汚染された巨大生物等々の撃退のみならず、個性豊かな怪盗達の捕縛や逮捕の支援、逃走した天才ゴリラの追跡、現代に蘇った原始人の保護、殺人真珠を利用した殺人の解決。里子先でDVを受ける少年を親元に返す、空を飛びたい高校生の願いをかなえるため人力飛行機設計のアドバイスをする、非行少女の更生と彼女が依存していたテロリストを捕らえる。ざっと書いただけで実に個性豊かな事件が多いことが判るでしょう。そして地味。基本地味。超地味。私が幼少期観ていた時でも「怪獣(ほとんど)出てこなくてつまんないなあ」と思ったほどです。でもなぜか目が離せなかった。
特に天才ゴリラと殺人真珠、DVを受ける少年や非行少女の話は今観直しても胸に刺さります。
ちょっと話が脱線したので、今度はキャラクターについて書かせていただきます。
拙作は「緊急指令10-4・10-10」に基づいて書いたと言ってもいいくらいで、若干の固有名詞や登場人物名を直せば二次創作として出せる程だと思います。登場人物の役割については勿論、イメージですら被っています。ただし、沢田警部だけは「10-4」の沢根警部とは違うイメージです。どちらかというと「怪奇」の町田警部(演:小林昭二)が近いでしょう。登場人物名も二人の名前を合わせた名前にしています。
今回の「不可視の魔物編」は時事ネタずっぽりですが、私は本来はなかなかこうしたものを思いつける人間ではありません。本当にただの偶然です。
また、拙作によってマスクの効能を疑ったりマスクを危険だとするメッセージを発するつもりは毛頭ございません。これはフィクションであります。どうかご理解下さいますようお願いいたします。
ラストに「一番の魔物は人間の欲望なのかも知れない」といった台詞を溝呂木に言わせていますが、これも強いメッセージ性を意識したものではありません。当時(今も?)の特撮やアニメでは人間のマイナス面について教訓的に語らせることが多かった気がします。これはそのオマージュです。個人的には、酒井や宇田川のように暴走した欲望は怖いけれど、そうでなければ生きていくのに欠かせないものだと考えています。食欲がなければ栄養状態が悪くなるし、睡眠欲がなければ体調を崩す、金銭欲がなければ食事においても睡眠においても生活を向上させられない。そう考えています。自他にダメージを与えない欲望、これが肝要なのかと。
次回の「Unravellers(アンラヴェラーズ)―― 解明するもの」の「海と涙編」。まだ一文字も書いていません! 正直いつ書けるようになるか判りません! なんせ趣味趣向全開で書いているので気長にお待ちいただければ幸いです。
それと、予告編を読んでいただけた方なら敵(?)は誰だかもうお分かりですね?
それではだらだらとしたあとがきを長々と最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました!
また「Unravellers(アンラヴェラーズ)―― 解明するもの」でお会いできる日を楽しみにしております!
長倉冬青
Unravellers(アンラヴェラーズ)―― 解明するもの 永倉圭夏 @Marble98551
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