中二病女子中学生初めてでも何でもないただの日常を経験する

加鳥このえ

おっきい

第1話   酉乃実咲ではなくなった酉乃実咲兼ギルバラークくん

ここは成未家なるみけ実流黒みるくの部屋



昨日の話…図書館に行った。



はっ!ここは!


「朝?夢か…」


朝日が眩しいくらい入ってくる。


「はあーきもちー」



やっぱ早起きはいいもんだなー!


目覚ましを止め、鼻を拭き貧相な胸を揉む。


これがわたしのルーティンである。




…ここは成未家 リビング


「うぉ!ギルバラークか…驚いたな…俺がいるんだもん」


そうこの人、成未勇介なるみゆうすけは俺の恩人である成未実流黒なるみみるくさんのお父さんである。


この人は優しいことに見ず知らずの俺を家に置いてくれている。

母親は反対していたが今や気軽に話しかけてくれる関係になれた。

これもこの人のおかげだ。


ちなみに俺は昨日の夜に来た。


ここで賢明な人なら気づくだろう。


あれ?おかしくね?


一夜過ごしただけでこんなに仲良くなるなんてあり得ない!と。


ちなみに俺は何もしてはいない。

突っ立ってただけだ。


もう気づいたよね?


ここの人達…おかしいんだよ。


まあ俺は人ではないし、俺が言えたことじゃないんだがな。


ちょっと間があったがお父さんの問いに答えることにする。


「あはは…これだけが俺の特技なんで…」


「そうかそうか!じゃあ実流黒みるくのこと頼んだぞ!お母さん!行ってきます!」



「いってらっしゃい!」


はて俺は何をしにここへ来たのだったか?


ん?二階から足音が聞こえる。


これは…


実流黒みるくさんだぁぁぁぁあ!胸が!おっぱいが!大きくなってる!」


そこにいたのは確かに成未実流黒なるみみるくだ。


だが違う。いつものまな板じゃない!


一体何が!


まさか!とある場所で修行して男から女になれる2分の1人間になったのか?


「いやでも近くにパンダはいないし…」


「何よパンダって…まさか!あんた!」


「まさか…手術して女の子になったのですか?あっ」


いや違う…みるくさんは…。


「バカー!」


階段から飛び上がり真下へドロップキックを放った。


「ぐえー!」


バタバタ…たくさんの靴が靴箱から出てきた。


「みるくさん…すいませんでした…」


「私は!私は!女の子!元々女の子なの!それなのに…それなのにぃ…決めた!今からかみきってあげる」


バリカンを取り出した。



「え?え?ちょっとちょっと待ってくださいよ!洒落になりませんよー!」


「にゃははっは!」


「うふふ…みるくったらあんなにはしゃいでる!彼は将来の夫さん候補ね!」


悪魔の笑み!


親子揃って!



「あはは!あはは!」


「いやー!」



ぼと…転がる胸パッド。


その大きさには驚きを隠せない。



ただ…そのパッドを見ると何故か…。


「ぷっ!」


笑ってしまう。


「笑ったなー!笑ったなー!もういい!髪を切る!決めた!おりゃーー!」



「やめてぇーー!!!」



コロコロ何故か転がる胸パッド。

今母親の元へ着いた。


「あらあら…私のよりも大きいわね」



思春期少女の心を壊した男と母




「やっぱり!あんたなんて嫌い!女の恨み、思い知れぇぇぇ!」


「ぎゃぁぁぁぁぁあ!」



その後坊主になったギルバラークが仕返しをするのはまた別の話。

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