地球に戻れるだけでチートなんだが、

marionet

第1話

またここか、、、、最近よく見る光景だ。

神聖な場所で少女は祈っている。


待っているよ。如月信君。


暖かいような不思議な感覚に陥る。


毎回ここで目が覚めてしまう。




僕には誰にも言えない『体験』がある。

だが、誰にも信じてもらえず、親からも奇妙な目で見られてしまっている。


そう!異世界と地球の行き来が僕には出来るのだ!

去年亡くなった祖父。身内から変わり者と罵られ避けられていた祖父だが僕はそんな祖父がとても好きだった。

だから、亡くなったと聞いて、凄く落ち込んだ。

夏休みが始まってすぐに祖父の遺品整理をするために祖父の家を訪れた。


無人駅から歩くこと30分。

そこからなんとバスでまた20分。

都会から考えたらなんと辺鄙な所か。


やっと見えてきた。

山の麓にある小さな小さな小屋とその隣に隣接している小さな小屋がある。


(ボロいなぁ。)

ため息交じりに言葉がでる。

第一印象はコレである。笑

だが、近いうちにこの印象も180度変わってしまう事をこの時は知る由もなかった。


(よっし!)

一息ついたら先ずは小屋の中を探索しよう。

まぁ、そんなに気合いを入れて探すほど大きくないんだよなぁ。笑笑


ガラガラ

うん?中は意外と綺麗だ。塵一つない。

なんだろう。ちょっと違和感を覚える。

まぁ、気にしてもしょーがないか。


居間に入ると、机の上に手紙と箱が置いてある。

手紙に書かれている事は、この家の『品』は全て信、君に譲ろう。大切に扱ってくれ。


さて、箱の中にはなにが入っているのか気になれところだが、困った事に鍵が掛かっているようだ。


まずは、箱の鍵を探そう。

この付近には無いな。

隣の部屋は寝室だ。ベットと照明しかない。

次に今いる寝室から見て反対側の部屋お風呂場だ。

スキの木の心地よい匂いがし、大人1人がリラックスして入る事が出来るくらいの広さだ。


小屋にはこの2部屋しか無い。


う〜ん?どこを探してもないなぁ。


あっ!!!!!!!

倉庫にあるのかも知れない!!




(ガサガサ)

古い扉を開けると、祖父が往年、色々な所から集めてきた品物が棚に綺麗に置いてある。

古びた剣、ネックレス、鎧など様々な品物がある。

よくよく見ると高価な壺や絵画まである。

色々周りを物色していると、棚と棚の間に隙間があり、その後ろには扉があった。

よし、動かそう。押せば多分動くよね?笑


(ガタガタ)

おっ、動いた。

本当に小さな扉だ。屈まなきゃ通れない程小さい。

扉には呪文のような言葉やよく漫画とかに出てくる召喚陣の様なものまで描かれている。

一見、不気味に見えるが俺はとても興奮している。

こう見えて俺は、異世界やら転生やらといった話が好きなのだ。興奮しない訳がない。

興奮して正常な考えができないまま俺は扉に触れてしまったのだ。

(普段の俺は冷静沈着である フッ、)


『ジジジジッ マスターの指紋を認証しました。

マスター以外が開く事はできません。』


・・・・・?


(バッ、ピカッッ)


扉がいきなり開いた。

目の前が真っ白になり、白い光が体の周りに集まり包まれた。

目を開くと次の瞬間、景色が変わっていた。

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