幼き聖女

アホ

第1話

走る走るただ走らないと捕まってしまう

淡い光の導きに従って逃げないと

ドンと音がなった

誰かにぶつかってしまったみたいだ謝らないと

「ごめんなさい」

何かを落とした音がしただけど気にしている余裕はない

顔を見ず走り去ろうとした瞬間腕を掴まれた

「おい、人にぶつかっといてそれはねぇんじゃねえか。

 お前のせいで俺の大切なご飯落としちまったじゃねえか」

「離してください」

掴まれた腕をどうにかしようと必死に振り回した

「おい、暴れんなガキが金渡すだけで離してやるよ。

 ほら20ベルで勘弁してやる」

そう言って手を差し伸べてきた

その手を私は噛み付いてやった

「いって」

相手が怯んだ隙に掴まれていた手を振り解いてまた逃げ出した

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