第23話 何か
中古の家を買った。
そこはお世辞にもきれいな家とは言えなかったがとても広くて過ごしやすい和風の家だった。
家の中央には家の軸になる4つの太い柱の中心に、天井まで伸びる紫色がかった神社の鈴を鳴らすためのような太い紐がぶら下がっていた。
最初はそういう家だと気にも留めていなかったが
繋がった天井の先には屋根裏部屋があることを知った。
そうしているうちに家に何かが来た。
人間の形をしているが人間よりは一回り大きい何かだった。
わたしはキッチンに隠れるとぐるぐる家を徘徊する何かをずっと監視していたが
意志がまるでないように、殺気も、恐怖心も感じなかった。
ただ、何かがそこにいる。
そこにいて私の家にいる。
ずっと何かがいた。
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