予約時間は十九時@焦る心とメッセージ
十八時三十七分
『電車が停まってしまったのでタクシーで向かっているのですが、渋滞しているので遅れると思います。時間になったら先に入っててください。』
十八時五十三分
『到着まで結構掛かりそうです。せっかく予約してもらったのにごめんなさい。』
十九時十四分
『まだあと四十分程掛かるみたいです。もしよければ料理の写真を撮って送ってくれると嬉しいです。』
十九時十九分
『そうですね。お店はキャンセルするのが妥当ですね。わかりました。本当にごめんなさい。』
十九時三十一分
『はい。左車線です。お店に着いたらすぐに降りられる様に運転手さんが気を遣ってくれました。』
十九時三十三分
コンコン…
不意に渋滞で半ば停車状態のタクシーの窓を小突く音が響いた。
「えっ!な、なんで…!?」
「はぁ、はぁ…迎えに来たよ」
窓の外には頭に雪を乗せて白い息を吐きながら微笑む男が立っていた。
二人が恋人になって初めてのクリスマスイブの出来事だった。
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