当たってます@距離感が掴めない

 ビーチに腰かける僕の視線の先には青い空と青い海が広がっている。


「うぇーい!おまたせー!」


「うひっ!」


 突然後ろから抱きつかれた僕はマヌケな声を出してしまった。


「うひってなにさ!うひって!」


「あ、すみません。その…先輩?」


「いやそんな真面目に謝んなし。つかなんで疑問系?」


 この人は高校の先輩で僕にとっては人生初の彼女だ。

 僕から告白してまだ一ヶ月ちょいしか経っておらず、経験不足な僕はが掴めなくて困っている。


「いや、その…」


「なになに?お姉さんに言ってみ?」


「あ、ます」


 それと顔が近い…とは言えなかった。


「当たってる?…あっ!ごめん!ほ、ほら!アタシって弟と妹いるからさ!年下との接し方がついそれっぽくなっちゃって!…今のさ、無かった事にして忘れてくれたら助かるなあ、なんて。あはは」


 そう言った先輩の頬は赤かった。

 このと背中に残る人生初の感触は暫く忘れられなさそうだ。

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