ドラマチックブレイク@偶然が邪魔をする

「私さ、が好きだから!あ、アンタはどう想ってんの!?」


 言った!ついに言った!

 小4から約5年続いたあたしの片想いに終止符を打つ時が来た!

 5年も想い続けたのだ、どうなったって後悔はしない。いや、ちょっとする。ううん、きっとかなりする…

 フラれたらこいつの為に伸ばしていた髪も切るし、こいつの趣味に合わせたの服ももう着ない。

 そのくらい意気込んでいた私の覚悟、その結末は…


「俺も好きだよ」


「えっ…!?」


 やった…やった!

 実った!

 …そう思った次の瞬間だった。


「最近は漫才あまりしないけど、トークもいいよね。特に復帰後の柴田さんがいい」


 ……はあっ!?

 え?なにそれ?

 

 まるで時が止まった様だった。

 5年分…正確には5年と5ヶ月分の想いが込められた私の告白は謎の切り返しで見事に打ち砕かれたブレイクした

 テレビを観ると見覚えのあるお笑い芸人が映っていた。

 私の勇気を返せ!

 心の中で私はテレビ画面と隣のこいつに文句を言った。

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