一夜明けて、昼@弁当の海苔
「はぁ…」
「先輩、お昼休みにため息スか?」
「すまん、昼飯が億劫でついな」
「億劫!?昼飯は仕事人にとって唯一の安らぎだ!最高の楽しみだ!が、先輩の持論なのにスか!?」
確かに大分前にそんな事を言った気がする。そして、過去の俺が言った通り、昼飯は楽しむべきだと
だが、今日だけは事情が違う。
昨夜、俺は二年前に結婚してから初めて妻と喧嘩した。きっかけはほんの些細な事だ。しかし、結局仲直り出来ずに俺はソファーで寝て、今朝起きると妻は寝室に籠り、リビングのテーブルの上にはいつも通りに弁当が置いてあった。
この弁当が億劫の原因だ。
正直、中を見るのが
「ところで、今日の愛妻弁当はなんスか」
「あ、こら…あっ!」
「ありゃ?カレー?」
後輩が勝手に蓋を開けた俺の弁当のゴハンには海苔で『今夜はカレー作って待ってる』と書かれていた。
カレーは同棲時代に喧嘩した後で二人で作った仲直りメニューだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます