【更新無期停止】原稿用紙に込めた想い

貴音真

思いがけない言葉@よく行くパン屋にて

「いらっしゃいませー」


 俺は会社の近くのパン屋で働く女性に恋をしている。


 1日1回、昼飯を買うために使う会社の近くのパン屋。

 彼女はそこの店員だ。


 は声を掛けようと思う。


 


 言える。

 たった一言だ。

 俺は言える。

 何度もシミュレーションした。

 断られてもスマートに立ち振る舞える。

 大丈夫。

 出来る。

 俺は出来る。


「あの~、どうかしました?」


「!!!」


「鈴木さん、気分でも悪いんですか?」


「!!!」


 なんで彼女が俺の名前を!


「すみません。急に声を掛けてしまって驚きましたよね?」


「う……あ、いや、大丈夫。それよりなんで…?」


「え?…ああ、名前ですか?だってほら、


 彼女は俺の胸を指差した。


「あ…あー、名札か。今日は外し忘れて来ちゃってたか。ははは」


ですよ」


「え?」


「毎日付けてました。私、鈴木さんが店に来る度にので知ってます」


 俺は彼女に恋をしている。


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