第103話 魔王図鑑パートⅤ


名前 ダンジョンメイカー

個体名 ダンちゃん&ジョンくん

生物強度 20

スキル ダンジョンメイキング ダンジョンクリエイト ダンジョンワープ 掘削 俊敏 可変型巨体


解説 ダンジョンと言う名の地下スペースを作るために産み出された魔王種。

ミミズの姿をしており、自らの体を伸び縮みさせ、太さや長さを変えながら自らの体で地下に洞穴を掘り進める事が可能。

素の体長は約160センチほどの大型のミミズである。太さはさほどでも無いので大きいと言うよりは長いと感じる魔王。

そして、彼らの真価はそこにはない。

様々なスキルにより、ダンジョン内においてはかなりの自由が効くようになる。

順序立てて説明しよう。

まず基礎にして奥義のダンジョンメイキングスキル。

作中では掘り進めた穴の壁を補強、変質させてダンジョンの壁として強化し、崩落や、入り込んだ人間が壁を破壊して好きに移動できないようにするものとあるが、掘り進めた広大なダンジョンの地形の把握をし易くし、どこに何を作ったのかの記憶力を上げる効果もある。

ダンジョンメイキングと、自らの大きさを自在に変えられる可変型巨体のスキルと併用することで通常は崩落したりするような無理な形状に掘り作ることも可能となり、掘る場所の土質も選ぶ必要がなくなる。

そして1番の特色である、ダンジョンクリエイトスキルはダンジョン「を」クリエイトするスキルではなく、ダンジョン「で」クリエイトするスキルであり、ダンジョン内ならば何であろうと作れると言うスキルとなっている。

ダンジョン内において創造の神が如き振る舞いを可能とする超すごいスキルとなっているが、何かを生み出す際にはキッチリと材料を用意しなくてはならず、それらを加工するのにも魔力と言う名の製造コストエネルギーを必要とする。

ダンジョンワープスキルはダンジョン内で自在に転移魔法、すなわちダンジョン内におけるAという場所から瞬時にダンジョン内のBという場所へ移動する事ができる。

さらに言うと、正確には「ダンジョンへワープする力」である。

「ダンジョン内ならば転移できる?ならば帰りは歩きになるけれど、ダンジョン内からどこそこの街へ転移して云々〜」とは出来ない。

逆に街へ歩きで出かけた際の帰りに、ダンジョンワープで転移して帰ることは可能である。

ジョンくんがダンジョンの外でアルルとしてほっつき歩いていたのを見て「何かしらの不意打ちで致命傷を受けたらどうなるんだ?無用心では?」と引っかかった人もいるかもしれないが、この能力があるから大丈夫。


余談だが、ちゃんづけのダンちゃんはメス、ジョンくんはオス。というわけではなく、適当にエルルがそう名付けただけで、普通のミミズと同じように雌雄同体でオスメスの区別はない。

精神的にも特に男性であるだとか女性であるだとかそういう意識は持っていない。


名前 アルル

生物強度 無


解説 上記のダンジョンメイカーのジョンくんが生み出したミミズの体では出来ないようなことをするための外装というか、肉で出来たスーツのような、着ぐるみのような物。

そのため、生物強度は存在しない魔王に似て非なる存在。

素の能力としては魔王であるジョンくんの擬似的な体として考えるとかなり貧弱。

体の中枢部にジョンくん本体が入り込み、操る事が出来る様になっている。

貧弱ではあれど本体が入り込む中枢部の強度はそこそこはある。

ダンジョン内部の一部にて沢山のアルルが製造、保管されており、倒されたとしてもダンジョン内であればダンジョンワープで別の個体に乗り移る事が可能である。

また、ミミズの体では出来ない、すなわちお喋りをしたいという動機ゆえに作出された体であるため、内臓はかなり簡素であり、消化器官の類はほぼ存在しない。

蚕の成虫のように食物を取る事が出来ず、一度起動すると体内のエネルギーを使い切る3日間ほどで自然と死滅する。


ああ、それと。


性器は存在している。


いずれ創造主たるエルルとアレコレしたいという目的があるから少女の形に作ったとか作らなかったとか。


名前 魔王キノコ

個体名 キノコマン

生物強度 101

スキル 菌糸領域 超キチン肉 スポアストーム


解説 生物強度がいよいよ3桁に到達したはじめての魔王種であり、元々はスポアストームにて自らの胞子をばら撒き、胞子の一粒一粒を核に大量の雨を降らせて農作物をダメにして、間接的な人類の間引きを目的に、真菌類、すなわちカビを元に作り出された魔王種。

周りのありとあらゆる物質に定着、栄養を吸収して増体をはかる。

実際にはそうした大規模な環境破壊をしてしまえば巡り巡って自分たちにも害を及ぼすのではないかと考えなおしたエルルによってお蔵入りならぬ、ダンジョン入りになった悲しき魔王でもある。


カビであるが故に、本体である菌糸をどうにかしない限り、子実体、すなわちキノコに当たる部分が可動して敵に襲いかかる行動を絶え間なく、させ続ける事ができるが生み出し、動かし続けるたびに周囲の定着部分から栄養を吸い出してエネルギーとして消費すしているので限界はある。

そう、限界はある。

あるがしかし。


カビはしつこい。


一度は誰もが聞いたことのある言葉だと思う。

カビは非常に根絶しづらい生物の一つであり、一度定着すると深い部分まで体を潜り込ませるので表面を擦った程度では死滅させるのが難しい。

キノコマンもまた、そのカビの性質故に生き残り易さを示す生物強度が高かったのだが作中ではあっさり焼き払われてしまった。

しかも、作中で師匠と呼ばれた魔女らしき女性にとっては菌糸自体に少なくはない魔力が含まれているようで、それを感知されてしっかりと焼き尽くされてしまった。

作中で唯一詳しく説明されてないスキル菌糸領域は自らの菌糸を定着させやすくする効果を持ち、本来ならばカビが定着しづらい場所、環境下にも定着できるようになる効果を持つ。

ルービィ少年が変わり果てた姿になってしまったのは菌糸領域によって、体内に入り込んだカビが定着、体内の組織を分解、吸収しながら成長し続けた結果である。

超キチン肉スキルと菌糸領域スキルによって菌糸そのものに動き出すための力を与えて菌糸を含む培地ごと巨大な体を象る、菌糸怪獣形態が切り札。


これまた余談であるが魔王キノコの子実体にあたるキノコマンの姿はエリンギ。

作者が好きなキノコベスト3に入るキノコで、豚肉と一緒に炒めると豚肉の脂を吸って実に美味しくいただける。

安いし美味いし、調理も簡単。

素晴らしいキノコである。

ダークなソウルのゲームに出てくる敵キャラじゃないのかって?

HAHAHA、知らない子ですね。


『ちょいとしたお知らせ』

今章に登場したルービィとフォルフォー少年の2人組。

実は当初予定していた2人組とは違い、話を書いていくうちにコレ、最後に死なせたら流石に可哀想過ぎない?というか、スピンオフとして、いや、別の作品として書いても面白そうじゃない?と思い、書き直したのですが、書き直す前の二人組のエピソードを手直しした短編『俺の幼馴染がホモでTSしたようだ』を投稿しました。

短編なので10話ほど。世界観は地球ベース。

完結済み。

良ければ電車通学、通勤中にでもご覧下さいませ。

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