第40話 魔王図鑑II

2章に登場したり、変化のあった魔王達の紹介と補足、余談などのページ。

興味がなければ読み飛ばしてもらっても大丈夫です。


名前 魔王蝶々

生物強度 59

スキル 超構造色 超無臭 超無音 単為生殖 食性変化 視覚交信 擬似人視力 聴覚交信


解説

隠密性を極限まで高めた魔王蝶々だが一章に続いて登場。

視覚交信だけでは不十分とされて、聴覚交信のスキルも追加される。

これにより、エルルは魔王蝶々を通して遠方の風景だけではなく音までも拾うことができる。

いわゆる生きた遠隔ドローンみたいなものとなった。

着実に増殖中。



名前 魔王ゾウムシ

生物強度 23

スキル 超寿命 超外骨格 超魔力皮膜 膂力増強 巨大化 食性変化 一代全霊


解説 

二章26話にてアームズシェル部隊に打ち取られ、今後は欠番。登場しない。

初めて討滅された魔王としてある意味、印象に残るかもしれない。

死骸がユミール公国にて研究され、遺伝子は元のヤサイゾウムシそのものと変わらないと判明した。

遺伝子から出所を突き止めることは出来なくはないものの、人口が多く、それらが必要とする食料やら土地やらのアレコレにリソースが使われているため、そうした発想が出なかった。

なお、この世界では魔法がある分、もう一つの魔力遺伝子というものが存在していて、それには変異が見られる。


名前 魔王ゾンビ

生物強度 73

スキル 死体食い 同胞殺し 超進化


二章におけるメインと言っていい魔王。

死体を元に作り出された魔王で、ゾンビの名の通り死体が動いているという異形の生物である。死体だったせいか生み出された当初は動きが鈍かった。

基本的に死体が動くというのは魔法のあるこの世界でも考えにくいことであり、本来ならば存在し得ない魔王である。

魔王クリエイターという神の力で生み出されたからこそ存在できる奇跡の生物。

ある意味では神獣とも言えるかもしれない。

スキル死体食いは死体を喰らうことで身体能力を際限なく上げるスキル。

ネット小説に良くある「努力チート」みたいな限界突破的スキルであるがエルル的にはそういうスキルではなく、はなから身体強化系スキルを与えたかった。

我らが主人公エルルはそうしたどうせ強くなる力を与えるなら初めから「超強い肉体」とか「最強の力」とか貰えよ、と身も蓋もない事を思っちゃうタイプである。

しかし、残念ながら魔王ゾンビの魔王クリエイターを使うための容量が足りずに断念。

段階的に強くなるスキルを与えた。

なお、死体食いには死体を食べる事で傷を癒す効果もある。

魔王ゾンビ自体は死体が動いている、という状態なため傷が自然治癒することはない。

スキル同胞殺しは魔王ゾンビの素体となった人間と戦う際に、身体能力を上げるスキル。

人間のみという条件付けにより、より上昇値が高くなっている。


名前 魔王ゾンビ第二形態

生物強度 81

スキル 魔王ゾンビと同じ


解説

魔王ゾンビが持つスキル超進化により、巨大な肉塊に包まれた状態になった魔王ゾンビ。

食らった大量の死体を材料に肥大化した体はシルエットだけならば巨大なナマコである。

歩行も肉塊表面にびっしりと生えた人間の手足などを蠢かせて歩く。というより這いずり回る

この形態の魔王ゾンビは超進化スキルによって肥大した肉塊から新たな2種類のゾンビを生み出すことが出来る様になり、そのゾンビはゾンビワーカーとゾンビソルジャーと呼ばれる。

本体から次々と生み出されるからと言って雑魚っぽいと舐めてかかってはいけない。

ゾンビワーカーは第1形態の魔王ゾンビより何段階か劣るものの、普通の人間よりは遥かに高い身体能力を有し、ゾンビソルジャーに至っては膂力だけならば本体と同じ力を出せてしまうほど。

雑魚というよりは中ボスクラスの戦闘力があるのだ。

そして何より恐ろしいのが魔王ゾンビ本体だ。

それらの中ボスクラスの敵を死体がある限り、無限に生み出し続けることができる。

材料となる死体は返り討ちにあったゾンビワーカーやゾンビソルジャーも含まれるため、魔王ゾンビ含めてゾンビ達を纏めて消しとばすか、本体を先に潰さない限り、彼らの討滅はできない。

非常に生存力の高い魔王である。


余談だが、魔王ゾンビのイメージとしてはバイオハザードダムネーションに登場したスーパータイラント。

見た目は全然違いますけど、あれみたいな攻撃は効いているようで効いてない怪物感が出てたら嬉しいなって。

完全に効いてないと強すぎて見ていてつまらないし、かと言って攻撃が効いてしまうと倒されてしまうわけで…その中間より若干効いてないよりのいい塩梅がでるようにと気をつけて書いたつもりです。


名前 聖母アリア

生物強度 41

スキル 聖なる母乳 超魔力皮膜 超物理皮膜 超格闘 超広域視界 超聴力 超安心声帯


解説

ちょろっとだけ登場した魔王ゾンビと同じく、死体から生み出された魔王。

さらに聖母ニア、聖母ウリアが生み出されて、それぞれが北と南に向かった。

作成理由が、魔王達に襲わせた街の生き残りの子供達の面倒を見させるためということで、人類の天敵を魔王と呼ぶ主人公的には厳密には魔王扱いではない。

見た目は常軌を逸した美人さんな上に巨乳。

すごく…大きい、です。

そのため護身用として役立ちそうな護身用各種スキルが与えられている。

スキル聖なる母乳は助けた子供の中に乳飲み子がいた場合を想定してつけられて、その効果はありとあらゆる種族の育児が可能になるというもの。

異世界特有の人種、エルフやらドワーフといったメジャーなものから、吸血鬼などの特定の食べ物を必要としそうな種族に至るまで母乳一つで健康的に育成することが可能になる。

本来ならば乳と一口に言ってもその成分構成や、分子の大きさなどが異なることがあるらしく、例えば人間の赤ちゃんに牛乳を与えて育てる…というのは望ましくない、という。

聖なる母乳はそれらを一挙に解決するある意味ではチートなスキルである。

副次的効果として、傷や病気を癒す効能もある。

ちなみに。

人間の母乳には脳の発達を促す成分が含まれているらしく、母乳が出れば出るほど、この成分の生産量は落ち込むそうな。結果、第一子が一番脳の性能的には良くなる傾向があるのだとか。世の旦那さん達は1人目が生まれた段階ではまだイチャイチャ盛りでしょうけど、奥さんのおっぱいを横取りしちゃダメってことですね。

さらに余談。

子供の乳離れはだいたい1歳半ごろからやめさせるらしいのですが、子供が飲みたがったり、母親が与える事を苦にしない状況であれば自然に子供が飲まなくなるのを待っても良いらしいです。だいたい最長で7歳くらいまでは飲みたがっても正常なのだとか。

お母さんのお乳を吸う行為そのものも、子供の精神的な成長に良い影響を与えるらしく、基本的にお乳はしっかりあげましょうという話ですね。

聖母たちの活躍は第3章でお見せできると思います。

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