ただ誇らしき付与術士--second,magic--

ユキ

第1話・ただ始まりの日に

作品紹介を観てから読んで頂けるとありがたいです。




~~~本編~~~


大陸の端にある田舎町

それなりに暮らしは出来ているが裕福とは言えないなんの変哲のない町----カレド街----




「ぉーぃ....ぉーーぃ...お...きなさい!!!!!」

バタンツツ!!!


大きな音を立て扉が開く


...ガッターン...ドスツ...


そして...少女はベッドからころげ落ちる



「ぁぁ、おかーさん...おはよー...痛ぁぃ..」


母はため息をもらす


「はぁぁ....そんなんで今日からちゃんと暮らせるのエミリー....1人でなんて...母さん心配で...心配で...」


明後日はホロレイド学園の入学式...

明後日が入学式なのだがホロレイド学園のある大陸の中心にある大きな町フロスにはカレド街からだと少し遠いので荷馬車で丸1日以上かかる、なのでフロスにあるホロレイド学園が所有する学生寮に入るのだ



「大丈夫だよ!!!試験にだって合格したんだし、念願のホロレイド学園だよ!まぁ寮での1人生活はちょっと.....結構...不安だけどなんとかなるよ!エミリーは大きく大人に育ちました!」


満面の笑顔でそう言うと


聞こえてきたのはまたもため息


「はぁぁぁ....朝から起こしてもらって...ベッドから転げ落ちて...オトナニなりました

!!!!.....あぁぁ...やっぱり心配....」



「大丈夫だってばー!!!!もぉーー!!」



フフッアハハハッ

母の名はサラ・スラウ...スラウ亭という食べ物やお酒を振る舞うお店をしていて、とても陽気でだが女手1つでエミリーを育ててきた

力強く、優しい女性である。



「これからは当分食べられないかもなんだから今日は私の料理お腹パンパンになるまで食べてから入学に望むこと!!わかった!!?」



「はい!!わかりました!!!」


なぜか敬礼をする...



顔を洗い、髪を整え、歯を磨き、新しい制服に着替える、昨晩に準備した荷物を持ち食卓へ



「おぉいいねぇ..制服!似合ってるわよ、エミリー!!」


その言葉を聞き笑みを浮かべ


「ありがと!お母さん!!」


するとサラは手を合わせて


「それじゃーあ!!かわいい娘の門出を祝って」





それはそれは美味しく楽しいご飯だった


「それじゃ....そろそろ出ないと....」


そう言うとエミリーは荷物を持ち...帽子を深く被り家を背中にし荷馬車に向かって歩きだした


「エミリー!!」


呼ばれてエミリーは振り向く....


サラは少しの間、言葉が出ず下を向きまた少したったら顔を上げ涙を拭いながらも笑顔で


「立派になんてならなくてもいい!!!!ただ...ただ次、会ったときも笑顔で...それだけ!!!!...

...わかった!!!?」


それを聞きエミリーは涙を隠すことなく



「い.....いっって...きますぅ...ぅ」


荷馬車に乗って少したって後ろを見ても大きく手を振る母の姿がハッキリと見えた


続く

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