第19話 陰キャと謝罪
バイトが終わり沙耶と一緒に帰路についた。俺たち2人は無言で歩いていく。しばらく歩くと昔遊んでいた公園に着いた。公園に入るなり、沙耶がブランコに乗り始めた。それに続けて俺も乗り始めようとした。でも身長的に、そして年齢的に恥ずかしかった。そんな俺を見て沙耶がブランコをおりると、公園にあるでっかい木を見て口を開けた。
「よく遊んだよねここで」
「あぁ、そうだな」
「ねぇ、告白のこと。覚えてる?」
忘れるわけが無い。忘れられるわけが無い。あれは俺の3年間ずっと抱き続けた初恋なのだから。それに今更覚えてるってなんだろうなと聞こうとするとやはり沙耶の顔は真剣だった。
「告白の時にさ、あんたと付き合うなら死んだ方がマシなんて言ってごめん……。今更許してもらえるわけが無いと思う。いや、許してもらわなくてもいい」
「俺は……別に大丈夫だ。それで、なんだ?」
「うん。慶太ってもう私のこと好きじゃないよね?」
うん。とは言えなかった。あんな酷い振られ方をしたといえど、幼馴染でありいつも仲良くしてた。それに目の前にいるからというのが大きい。
「無言てことはそんなんだよね? ……でも慶太って好きな人いないよね?」
「……あぁ」
「なら、わたしが慶太を好きにさせてみせる。絶対だよ!」
「ッ!?」
沙耶の言葉に夕日が重なった。そして沙耶の決意のように赤く燃えるような夕日に宣言した沙耶はいつもより顔が真っ赤だった。そして、沙耶の顔がとてつもなく可愛かったのは言うまでもない。沙耶は美少女だなと改めて感じた瞬間だった。それでも俺は、沙耶をまた好きになることができるのだろうか。
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