第2話 バトル刑事登場!
水木悠(60)ボス
安藤勇(25)タピオカ
緒方幹太(35)OK
菊池國男(42)ビートル・菊さん
剣持康介(55)ケンさん
バトル(28)インターポール
8月6日 - 7月25日にモーリシャス南東部沖で座礁した日本企業所有でパナマ船籍の貨物船「わかしお」 から燃料が漏れ出していると同国が発表。
ローライズとサクラが去り、七曲署のメンバーは5人になった。
かつて、ジーパンが殉職しシンコが退職したときにボス、山さん、長さん、ゴリ、殿下の5人だけになったときがあったが、七曲で5人制になるのはその時以来だ。
「今日は広島原爆記念日だな?」
剣持が言った。ヘビースモーカーで吸えないことにイライラしてる。法令により全室禁煙になった。
「剣持さんって広島出身なんですよね?」
安藤が柱時計を見た。まだ9時半、終了時刻の17時まではまだまだだ。
「うん」
「広島弁全然出ませんね?」
「東京に来たばっかりの頃、訛りでバカにされたからな」
「昔、ボギーって刑事がいたんだよ。彼も広島弁でね?神社で刺されて死んでしまった」と、水木。
8月8日 - 五山送り火の大文字で知られる京都市左京区の如意ケ嶽で深夜、「大」の文字がライトのようなもので浮かび上がっていると京都府警に通報があった。
インターポールのバトルって刑事が七曲署に派遣されて来た。7月、ロンドンで顔面を十字に刻まれて殺された事件が発生した。
矢追町でも5年前に同じような事件が発生した。が、未解決になっている。オリエンテーリング、捜査会議を経て休憩時間になった。
「格闘技が強そうな名前ですね?」
安藤が言った。菊池が通訳する。菊池はビートルズファンが講じて英語を猛勉強した。その為、ペラペラだ。
「本名です」
菊池は秋山家の事件や、ローライズ&サクラの裏切りについて話した。
午後9時、バトルはビジネスホテルにやって来た。それまでは仮眠室が使われていたが、3密を避けるために当面はホテルを使用することになった。本来なら露天風呂やジャグジーバスなどにも入れるが閉鎖されてる。
ビートル、タピオカとひそひそ話でそれぞれの部屋に向かう。
2年間職に就けなかった楡木篤史は、職業安定所の紹介で役所のポスター貼りの仕事を得る。仕事に就くためには自動車が必要だと言われるが、生活の厳しい篤史は自転車しかなかった。妻の糸子が体を売って、その金で自動車を手に入れる。新しい職に浮かれる篤史を見て、6歳になる息子の右近も心を躍らせる。
右近を助手席に乗せ、意気揚々と出勤する篤史。しかし仕事の初日、ポスターを貼っている最中に自動車を盗まれてしまう。交番に届けるも「自分で探せ」と言われる始末。自動車がなければ職を失う。新しい自動車を買う金もない。篤史は自力で自動車を探し始める。
友人の安藤に相談し、翌朝に自動車屋へ探しに行くことに。広場には大量の中古車が売りに出されていたが、篤史の自動車は見つからない。
雨が降り、二人はずぶ濡れだ。息子ともに途方に暮れている中、安藤は犯人らしき男が老人と会話しているのを見かける。男を追いかけるも逃げられてしまい、戻って老人を追う。老人は「何も知らない」と言い張り、施しを行う教会に入った。安藤はミサの行われる中で老人を問い詰め、男の住所を聞き出す。安藤は老人をその男のところまで同行させようとするが、老人は「せめて施しの食事を食わせてくれ」と頼む。安藤はそれを許すが、その隙に老人は逃げる。安藤の不手際を責める篤史の顔を、安藤はぶってしまう。
「何で俺が責められねーといけねーんだよ!」
篤史を慰めるために、高級レストランに入る安藤。周囲が豪華な食事をする中、肩身の狭い思いで食事をする。ポスター貼りを続けられればもっと生活が楽になるんだ、だからなんとしても自動車を見つけたい、篤史は安藤に語る。
篤史は昨日までインチキだとこき下ろしていた占い師にも頼ってみるが、「すぐに見つかるか、出てこないかだ」としか言われず何の進展もない。
貧民街で犯人とおぼしき男を見つけた安藤は、激しく男を問い詰める。しかし男は何も知らないと言い張り、発作を起こしてそのまま倒れる。昂ぶった街の男たちに取り囲まれた安藤の元へ、篤史が刑事を連れてくる。
「タピオカ!大丈夫か!?」
「ケンさん!」
剣持だけでなく緒方もいた。
剣持たちとともに男の家を捜索するが、自動車は見当たらない。証拠もなく、証人もいなければこれ以上の捜査はできないと剣持が言う。篤史はあきらめ、住民に激しくなじられながら貧民街をあとにする。
あてもなく歩き、サッカーの試合を開催しているスタジアムの前で座り込む二人。目の前には観客が乗ってきた大量の自動車。背後には人気のない通りに一台の自動車が止まっている。篤史は立ち上がり、何度も振り返って一台の自動車を気にする。やがて試合が終わり、退場する観客で通りが混雑し始める。思いつめた篤史は息子に金を渡し、先に帰って待っていろと言う。そして背後の通りへ恐る恐る歩いていく。
人気のないことを確認し、自動車を盗む篤史。しかしすぐに気づかれ、追いかけられる。必死に逃げる篤史を、路面電車に乗り遅れた安藤も見つける。篤史はあえなく捕まり、取り押さえられた。泣きながら父にしがみつこうとする右近。 捕まえた男たちは篤史を警察に突き出そうとしたが、自動車の持ち主は右近を見て、「もういい、見逃してやる」と言う。篤史は男たちの罵倒を背中に受けながら解放された。
弱弱しく歩く篤史。次第に涙がこぼれ始める。父の涙を見た右近は、強く篤史の手を握る。手をつないだまま、親子は街の雑踏の中を歩いていく。
🌇
8月11日
📺日本最高齢男性の白井庄次郎が110歳288日で死去。日本最高齢男性は1910年3月25日生まれで茨城県在住の福西基となった。
「しかし、暑いっすな〜?」
署の食堂で菊池は冷やし中華をすすっていた。昼食は菊池にとって束の間のひとときだ。
「事件がのびる、縁起が悪いな」
水木が怪訝そうな顔で菊池を見た。
バトルがテレビを見た。
「内容分かるのか?」
剣持が天丼を平らげ、言った。
「ええ、日本語、英語、中国語、ロシア語はだいたい」
「すげーな?コイツなんて日本語すら怪しいのに?」
剣持が呑気にタピオカを飲んでる安藤を見た。
「タピ、豚に真珠ってどーゆー意味だ?」
「太った女がキレイなものを着てるってことでしょ?」
「そりゃあ馬子にも衣装でしょ」と、バトル。
「じゃあ、どーゆー意味っすか?」
「人に頼るな自分で調べろ」
剣持が呆れた顔になる。
「そういう意味っすか?」
「おいおい😔」
緒方は世も末だな?と、愕然とした。
水木は5年前、2015年の7月を思い出していた。
太陽にほえろ!2020 鷹山トシキ @1982
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