第32話 始まりの物語 ~ グリモワール・オンライン ~

≪オープニングをスキップしますか?≫


 当然NOを選択する。




 ―――――――冒険者手記 冒険者の歴史。


 あれはもう、何百年と過去の出来事だったろうか。


 あの頃、世界は平穏その物だったと云う。


 あの時代には人族以外の種族は、まだ確認されていなかったが。


 村や町が築かれ、みな極平和に暮らしていた。


 そんな生活を支える為に、冒険者という仕事が誕生した。


 そんな折、ある港街に巨大な魔物が襲来したのだ。


 街の冒険者も必死に戦ったが後一撃という所で、突然魔物が閃光を放ち大爆発を起こした。


 その街は爆発と共に消滅してしまったが、その魔物も同時に消え去っていたのだ。


 生き残った街の者たちはそれを見届けると、その街を後にしたそうだ。


 だが、魔物は一体だけではなかった。


 その後、次々に村や街を襲う魔物が報告された。


 国を挙げて立ち向かうも、一体として魔物は倒せなかった。


 いつしか人々は、その大陸に住まう事を諦め別の大陸に移り住んだ。


 たどり着いた大陸には様々な種族がいた。


 人族をはじめ獣人族やエルフ族の者たちだ。


 急激な人口の増加に従って、多くの国が誕生した。


 国が増えれば土地が必要になる。


 大陸は広かったが人が大勢住める土地は、そう多くはない。


 今も土地を求めて戦争が起きる。


 だが少しずつ状況が変わってきた。


 その立役者が魔物とは皮肉なことだが。


 奴らはどこにでも表れて、住み付き暴れる。


 そんな何処にでもいる脅威を前に争いが減ってくれればいいが。


 いや、減っているのだろう。


 冒険者の仕事は、何でも屋だ。


 いろんな仕事がある。


 最近は戦争参加の依頼書が減ったようだ。


 これを読んでいるってことは、お前は冒険者になるのだろう。


 先輩として止めはしないが、覚悟をしておくことだ。


 敵は魔物だけではないのだから…。


 ―――――――――冒険者 クレイク・ファーバー。

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