解説と補足
【キャラクターの設定について】
中学三年生の藤野。藤のん、と呼ばれている女性の主人公です。キャラの名前って苦手です。だってネーミングセンス無いんだもの。苗字の由来は「青色」を裏テーマにしていたので、藤色という青のひとつを苗字に持ってきました。内申点のために委員長になり、先生の前で良い子ちゃんを演じるキャラです。本当は自由に振る舞ってみたいという抑圧された望みがある、という設定でした。
同じく中三の照井。藤のんからは照井さんと呼ばれています。名前が登場しないのは、ぎこちない関係性を表現したかったためです。苗字の由来は、僕の勝手な経験則ですが、名前って漢字に対する思いが強いほど真逆の性格になるような気がします。「明」が付くと物静かな子になったり、「清」が付くとガサツな子になったり……まあ、偏見です。気にしないでください。なので、今回は名前ではないですが「照」という文字をイジメられている日陰者につけることで、よりチグハグ感を演出したつもりです。伝わってるといいな……!
【ペチュニアについて】
今回のキーアイテムみたいなものですね、ペチュニア。夏に咲く青い花(本当は赤とかのがメジャー)で、良い感じの花言葉が付いているのを色々調べていて見つけました。作中では、不思議に神聖な場所として登場し、照井さんの胸中を伝えたシーンでした。
一応、あのシーンにも意味がありましてペチュニアの花言葉には【あなたと一緒なら心がやわらぐ・心のやすらぎ】というものがあります。藤のんに見せる前は、照井さんだけで独占していた場所なので「心のやすらぎ」は心を閉ざして誰とも関わらず独りでいることを意味していました。
それを、自宅に訪ねてきた藤のんの優しさに触れ、固く閉ざしていた心を開くキッカケとしてあの場所に招待したのです。陰キャ(私も含む)って対人の距離感の取り方がヘタだったりするじゃないですか。だから、あんな突拍子もない行動を真夏の炎天下にしても不思議ではないと思うんです。だから、自分だけが知っているとっておきの秘密を共有することで、花言葉の【あなたと一緒なら心がやわらぐ】ということを表現したかったのです。照井さんからの精一杯の告白みたいなもんですね。
【たったひとつの望みについて】
これについては作中でたっぷり語ってるから、特に言うこともなさそうです。
照井さんはイジメられていても、我関せずといった折れない強い心が欲しいと思っていました。だけども、藤のんの優しさに触れて、本当に欲しかったものの存在が芽吹いてきた。それが、強くなりたいわけでなく、ただ誰かに気付いてほしかった。救われたかった。という感情こそが本当の望みだった。ということです。
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