こんな時間
高校生になってからは、違うクラスになって。
話せる機会が減った。私は何度も何度も教室を見に行ったけど、琉樹くんの周りにはいつも人がたくさん居て話しかけられなかった。
琉樹くんはイケメンだし、女子からの人気もすごいんだよなぁ…、噂によると琉樹くんは告白も結構されてきたらしい、だから彼女だって居るよね、多分。居ることくらい分かってんだけど、私は琉樹くんの事が好き。
友達と話してる楽しそうな笑顔を見ているだけで、私もニコニコしてしまう。って今はそんな事してる場合じゃないや!あの感じだと忘れてる…?
「琉樹くん!移動教室!!」
「おっ、忘れてた!!いつも来てくれてサンキュ!」
「ううん!行こ!」
「おう!」
「そういや、最近、話せてなかったな。」
「全然話せなかったよね、琉樹くんは学校生活楽しい??」
「今更?!楽しいよ。紗奈は?」
「うーん、、普通?」
「なんだよ!普通なのかよ〜!ってかさ俺、沙奈と同じ高校って知らなくて入学式ん時びっくりしたの覚えてるわ〜!!」
「それ!!私もびっくりした!お互い約束して秘密にしてたもんね!」
「謎に志望校秘密にしてたよな、なんで秘密にしてたっけ?」
「私もなんで秘密にしてたか忘れたよ笑」
「まじかよ〜…でも紗奈が居てくれてよかった、」
「へ?」
「なんでもなーいよっと!」
「え〜!!知りたい!!」
「む〜り!」
「琉樹くんのケチ!」
「わっ、拗ねないでよ、」
「拗ねてない、」
「え、ええ、ごめん…」
「ふふっ、」
「も〜!!まじで焦った〜…」
「しーんない!」
ほっとしてニコニコと笑う琉樹くんの顔にちょっと見とれていたら…
「うーわ!チャイム鳴った、やべぇ」
「…へ?あ、やばいじゃん!!」
「鳴り終わるまでに入ったらセーフだろ!」
「セーフじゃないでしょ!!」
「成瀬!浅香!遅いぞ!!遅刻!」
2人して先生に怒られて席に着く。
席に着いて目が合って笑いあって。
「結局怒られちゃったな、」
「ほんと誰のせいだと思ってんの、」
「沙奈のせい、」
「琉樹くんのせいでしょ、」
そんな事を口パクで言い合いしていつもの通り授業を受ける。
私は授業聞くフリして、琉樹くんの事ばっかり見てたんだけど。
この授業だけは一緒になるから出来るだけ琉樹くんのことを見ていたくてそうしちゃうんだよなぁ…
そんな時間が、私は大好きで。
「あ、やばっ、」
琉樹くんと目が合いそうになって思わず目を逸らした。
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