第6話 幻の種族ババーリアンの恐怖


翌日はギルドに寄ってから商業ギルドにも行ってみる。

小さい掲示板があったけど、護衛依頼とか貼っていないんで窓口で聞いてみる。

冒険者ギルドと違って商業ギルドは客が紳士だからか?受付は女性だ。丁寧に説明してくれた。


護衛依頼は通常冒険者ギルドに依頼主が直接出す。商業ギルドで受けるのは、依頼主が商業ギルドで認めた護衛者達を使いたい、という安心を得たい者たちからの依頼。

なので、信頼できることろからの紹介がないと、商業ギルドからの護衛依頼は受けられない、とのこと。

「あ、これもらってた、、、」沖田が、「頑固親父が別れ際に渡してくれてた」と、我が町の冒険者ギルドマスターからの紹介状を見せる。

「、、、これなら紹介できる件があるかもしれません。お待ちください」


「もしかしたら、紹介者のランクがあって、それによって俺らの信用度も変わるってわけじゃね?」

「うん、それ臭いねー」

「そうですね、でないと我々の信頼性が薄れますから」

おおう!!後ろから来ないでっ!!で、聞いていないで!!

「別に隠してるわけでもないですし、そういったことをしていると認識されてはじめてしっかりした信頼が得られるのですから、別に話しても問題ありませんよ?」

「あ、っそうっすか、、、ドモ、、」

小田、山田、神田、「はずかしー!君たち!!」みたいな目で見んなっ!!


結局、あったのは1件、翌々日出発、我が町まで中規模商隊の護衛。予算以内で5−10人程度。

「おお!これ、( `・∀・´)ノヨロシクにも聞いてみない?」

受付女性に聞くと、うちと一つのチームとしてなら依頼主に聞いてみるとのこと。先に( `・∀・´)ノヨロシクに聞いてからまた来るから、と、宿に帰る。


よろしくは洗濯などしていた。家庭的だね♪

聞いて見ると、安いことは安いが、いんじゃね?とのこと。よろしくはベテラン料金だが、ウチラは低級料金なので予算ぎりぎり収まる。歩きか駅馬車で料金使って帰るよりよほどいいだろー、とのこと。

「どーせ出てもチンケな山賊か、しょぼい魔獣だろ?」

と山梨さん、頼もしいっ!!




出ました、しょぼい山賊。15人程度。我が町にあと半日という夕方。野宿始めようとしたところに出没。

「金になるな、、」

シャインさんが説明してくれた。「縛って放置し、町の衛兵に言うと回収してくれ、報奨金くれる」とのこと。

「放置っすか?」

「逃げられちゃうこともあるし、魔獣に食われちゃうこともあるけどねー、たまにだよ、ケケケっ」

いや、笑うところっすか?そうっすかー、、

俺ら出る幕無し、一応逃げられないように包囲はしていたが、一匹も来なかった、、、


「オラオラオラ嗚呼ああ!!しょぼいぞてめぇらああああ、そんでも山賊かあああ!!!」

魔法使いじゃなかったっけ?魔法使いの棒?六角棒になってんですが、それをすげーうまく使って、、棒術?一度に複数づつ、復帰できないほどぶっ倒していく、、

ランさん、「ッシャー!」ってネコみたいな声出して、手足が見えないくらいの速さでこれまた一度に複数?手足が別っこに倒している?

ヨードさんとシャインさんは微笑みながら見ている、つか苦笑かー

いつものこと、みたいな?


3分もかからなかった?


「「あー楽しかったっ!!たのしかったっつ!!!!」」

お二人は大満足みたいです。

夜髏死苦は伊達じゃないわな、、絶対日本からだ、山梨の族だ、絶対にっ!!!


野宿の飯を山梨さんと俺で作りながら(当番)

「こっちにぶどうとか桃とか杏とかあるんっすかね?」

「懐かしいこといっちゃってくれるよなぁ、、見たことねーんだわ、、」

やっぱ山梨からだ、、、

「俺千葉なんすよ」

「おー、東京はさんで向こう側かー、あっちも多いみたいだよなー」

「(族のことかな?)俺の時代にはもうほとんど消えていましたねー」

「え?マジ?いつよ?!!」

「2020年っす」

「あーそっかー、2−30年たちゃー、そうなんだなぁ、、、一昔ってとこだもんなぁ」

「あ、でもうちの山田の兄貴の仲いい友人が世田谷で族やってたって、、」

「エンペラーとかあったなー、あっちには、、でも本人じゃねーんだよなー」

「まぁそっすね」

・・・・・


飯のときは山梨さん静かになっちゃってた、、悪い事したかなぁ、、

会話は狭い範囲での作業だったので、うちの皆やよろしくの皆も耳に入っていた。よろしくの他のメンバーはよくわからないが、山梨さんが向こうから来たことは知っている感じだった。

俺も仲間に特に何も言われなかった。皆会話はあまりなかった。




翌日、馬車の中でシャインさんが

「君たちのチームは名前あるの?」

「へ?、まだ無いです」

「急に決めること無いけど、なんか良いのがあったら、覚えておいたほうが良いよ。そのうち必要になるよ、君たちなら。」

「って、ウチラの戦闘とかまだ見せていないっす、、」

あっはっはっは、よろしくの皆が笑った。

「見てりゃわかるよ、しかも山賊の時、包囲していたよね?あの様子なら中堅になり始めたくらいなので、そろそろチーム名、パーテイ名で受けることを始める頃だよ、抜ける人などいなさそうだし。」

「そういうもんなんっすか、、」うーん、と皆でうなる。


「あ、バーバリアンとかどうよ?」と山田

「蛮族かよー」神田。

いやな顔をする小田と沖田、

「いや、それは辞めたほうが良いぞ?」ランさん


「ババーリアンというのがいてな、」山梨さん

「「「「「婆ーリアン?!」」」」」

「そう、それはもう大変なんだこれがっ!!」

っん、ほん、、咳一つして、

「お前らにわかるように言うとだな、、怖いことなんだが、信じられないだろうけど、、、

大阪のオバハンの中でも最も図々しい系の一族、だと想像してもらえればいい、、、」

・・・・・・・想像中

・・・・・・・・更に想像中

・・・・しくしくしくしく・・・・想像しすぎて怖くて泣き始めた小田

・・・・げろげろげろーー想像で激しく動揺して何か過去にあったのか?神田?外に顔を出して吐き始めた

・・・沖田、、何ものすごく酸っぱいもの食ってんだ?

山田はなんか楽しそうにしている、でも目が虚ろなのはごまかせない

俺?想像なんかしないw恐ろしくっていやだわwww脳が拒否ってるからww


「・・・ちなみに、、その危険部族はどこに生息しているんですか?」

「・・・・・流浪の民なんだよううううううううう!!!!!」

うわああああああああああーーーーーー!!!!!荷物の端に乗っている俺らの狭い空間、阿鼻叫喚!!!


あとで山梨さん、依頼主から叱られていた、「噂をすれば影と言うじゃないか、奴らが現れたら、、、」ガクガクガク!!思いっきり震えていた。ぶるぶるとかがたがたじゃない、ガクガクふるえてた!!


なんかドラゴンとかのほうがわかりやすくって良い敵みたいな感じだな

皆噂すらしないくらいに恐怖を感じているのだ。だから聞いたこともなかった。ランさん、山梨さん勇気ある好意ありがとう!!おかげて超大危険を一つ知れたよ!!


その後、密かに山梨さんが「ババーリアンでも、中にはごくごくまれに、まともな人がいる、それはババーロイと呼ばれて区別される。もしその危機のときには重要なことになるからな。」と教えてもらった。ごくごく小さな囁く声で。



ダニの話。

馬車の中で

「イチっ、また食われた。ちっくしょー」

「蚊?」

「んー」

山田は蚊に喰われやすい?

「蚊はいねぇなぁ、ここ。ダニじゃねーか?」山梨さん


「俺ら向こうから来たろう?こっちの虫に耐性無いみたいなんだよ。向こうにも家の中にダニなど多いんだが、ほとんど喰われないだろう?生まれてからずっといるから強くなっているんだ。が、こっちは来たばかり」

「げっげー、、どうすりゃいいんすか?」

「んーー、俺も最初は掘り出していたんだが、めんどくなってなー、今は放置?」

掘り出す??


「皮膚の下にいるんだよ、足とかわかりやすい。あと頭とかな。頭はかさぶたみたいだけどなんか違う?って感じのができてたら、それはダニだ」

「きゃー!!対策ってないんでしょうか!!」懇願するような沖田と小田!!

「とにかく清潔にする。毎日体を洗う、頭を洗う、石鹸で。朝夕二回なんかかなりいいんじゃね?」

「よかったー!!うちらの家、風呂あるんです!!」

「「よかったねーー!!」」小田と沖田が手を握り合ってはしゃいだ。




その後、沖田と小田は、外出から帰るたびに風呂入るようになった。俺らもしょっちゅう「風呂入れ!」と言われ始めた。

かぁちゃんかっ!!!

毛布やシーツは毎回洗うのもなんなので、毎日日に干した。南国だと一日外に干すだけでも非常に効果的らしい。


ちなみに、ツツガムシとか日本脳炎とか狂犬病みたいな危険なのは「聞いたことがない」とのことだった。

「んな心配するなら、とっとと女子たちに医療系魔法の上級を覚えてもらうこったな」

ごもっともでごわす山梨パイセン!!


町に到着後、山梨パイセン達は、裏通りにある定宿「森のくまさん」に帰っていった。昔から知っている気のおけないところだそうだ「変える気はねぇなー」とお気に入り。

夜髏死苦が森のくまさん、、、、


怖いもの見たさ、今度寄ってみよう、、

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