無駄なラブコメをしないラブコメ

七四砂南

第1話 心無理解という理解できない男

「3年間ずっと好きでした付き合ってください!」

 初めての告白だったその相手は、同じ中学の相手だった。その明るさとルックスそして優しさに一目惚れしてしまった。その子が俺を好きになるように3年間努力して来た。中学の青春を全て使ったと言っても過言ではないほどに費やして来た。これで振られたら俺は立ち直れ……。

「ごめんなさい貴方とは付き合えないの…本当にごめんなさい」その相手は、俺の告白を断った後すぐ教室を出て行ってしまった。

「俺は振られちまったのか?……この3年間が全て無駄になってしまったのか?俺はこの3年間一体何何をやっていたんだ…無駄か…結局無駄なんだな結局いくら俺みたいな奴が頑張っても結局世の中全て無駄なんだな……」この時俺の全てが崩れ去りおかしくなってしまった。


「おい?聞いているのか心無?」

「はい聞いてましたよ。あれですよね俺が無気力無関心で努力は全て無駄だと思っているのが気に入らないんですよね」

「ああそうだ!何故そうまで努力を嫌うんだ!お前の何がそうさせるんだ?」

「そうですね〜特に意味はないです」

「なんかやりたい部活とかないのか?」

「ないです。努力したくないし、興味ないです。工藤先生、俺には無理ですよ。俺みたいな無気力、無関心の無駄みたいな集合体に…」

「うーむ……………そうだな……いいことを思いついたぞ」工藤はニヤリと微笑む。

「お前には毎週1週間部活に入って貰う!」「…………はぁ?」


 工藤先生が言うには毎週1週間部活に入り無努力、無気力、無関心を直せ!ということらしい。

「くそ……なんで俺がこんなめんどくさい事をしなくきゃ行けないんだ…」


「ねぇ心無?毎週1週間部活に入るって本当?」

「ああ、そうらしいな全くもってめんどくさい。そんなことしても俺の崩れ去っちまったもんは戻らないのにな」

「私は面白いと思うけどな〜」

「何が面白いだよ菜乃花美月!」

「なんでフルネーム?」

しまった間違えてフルネームで呼んでしまったちょー恥ずかしい……

「い、いやた、ただフルネームで呼んで見たかっただけだしな」

「別にいいけど、いつか私の部活来るの?」

「なんだたっけ?ちくわ部だっけ?」

「チア部ね!」

「あ〜あれね恥ずかしい格好してぽんぽん持って踊って応援するやつ」

「何が恥ずかしい踊りよ今あんた世界中のチア部を敵に回す発言したのよ?多分あんた明日チア部から集団リンチくらうわよ」

え、普通に怖くて家から出れないんだけど、どうしてくれるん?ついに心無さん引きこもりになっちゃうよ。

「俺ゲームして寝たいから帰るわ、じゃあな菜乃花」

「はいはい、じゃあね無気力で無関心で無努力な心無理解君」


下駄箱から外靴を出そうとした瞬間。

「君かな?心無理解君って」

俺の前に立っていたのは身長約168cmぐらいの女性だった。

「あんた誰でしゅか?」やべぇ噛んじまったくそ恥ずかしいいっその事死にたい!誰か俺の事を殺してくれ〜。

「ぷはははははは、君面白いね!私は2年B組の愛羽夏海だよ!君が来週1週間入部する陸上部の部長だよ!」


「愛羽さんですかよろし……陸上部?!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る