膝の上に座る少女
コメディアンホラー西山
第1話 事例1浩太の場合
俺の名前は、桧山 浩太40歳。
身長170センチメートル、体重62キログラム。
髪型はスポーツ刈りで顔はまあまあイケメンかな?体形は普通。
俺は周5日間宗田マンションから株式会社本江まで通勤してる。
マンションから汲田駅まで自転車で10分、汲田駅から本江本町駅まで電車で30分本江本町駅から会社までが徒歩で10分ほどで移動時間は片道50分ほど。
俺が乗る電車には必ず学生達が乗り込んでくる。
女子学生達が俺の前ではしゃぎまわるのも日課だ。
俺はオフィスで正社員として働いている。
仕事の出来はまあまあだ。
ある日の事1人の女子学生が俺の膝の上に座った。
彼女の名前は、道後 穂乃果さん16歳。
身長162センチメートル、体重は40キログラム。
髪型は腰まで長いロングヘアーで顔はマドンナのように美しい。
体形は普通なのかな。
穂乃果「おじさん、ごめんねいきなり膝の上に座っちゃって。」
16歳とあどけない彼女は人懐っこい感じだ。
この後、俺はいろんな美女に膝の上に座られる事に。
そして俺はいろんな美女に膝の上に座られる事によって奇妙な体験をする事に。
翌日俺は上司に呼び出されて俺が作った書類が顧客に不評だったのでド叱られた。
仕事する以上は何が起きるかわからない。
俺は会社でも1人でみんなの輪に入ろうともしない哀れな男だ。
翌朝、俺はいつもどうり汲田駅から電車に乗った。
今度は吹奏楽部の女の子が俺の膝の上に座った。
彼女の名前は、小樽 夢子さん16歳。
身長165センチメートル、体重40キログラム。
髪型はストレートヘアーで木炭のように美しい髪の毛。
顔は超美人で体形は普通。
夢子「おじさん、昨日仕事うまくいかなかったみたいね。家のお父さんが言ってたよ。」
俺「あー、でもいきなり膝の上に座られたら困るな。」
夢子「私みたいな女の子が膝の上に座ってくるって幸せじゃない?」
彼女は普段は人見知りだったというがなぜ俺に膝の上に座ったのか。
仕事帰りの時今度は全身黒ずんでる少女が俺の隣に座った後俺の膝の上に座った。
彼女の名前は、紺野 和さん16歳。身長163センチメートル、体重40キログラム。
髪型はカールがかったストレートヘアーで顔は黒ずんでいるがかわいい。
体形は普通。彼女は電車の中でも腕は首をボリボリひっかいてた。
和「ごめん、いきなり膝の上に座っちゃって。」
俺「君もか、でも腕とか首ボロボロじゃないか。それ以上ひっかいてはだめだぞ。」
和「私、アトピーだから凄くかゆいの。」
俺はどうして少女に膝の上に座られるのか。謎が深まるばかりだ。
俺「仕事がうまくいかねえな。でも女の子達がなぜ俺の膝の上に座るのかふしぎでならんな。」
金目当てなのか、それとも何だかの企みがあるのか。
翌朝、また電車の中で穂乃果さんに出会った。
穂乃果さんはこの日も俺の膝の上に座った。
穂乃果「おじさん久しぶりだね。」
俺「君は本当に懐っこいな。」
穂乃果「よく言われるね。私の名前を言い忘れてたね。私の名前は道後穂乃果だよ。よろしくね。」
俺「いい名前だな、俺こそよろしくな。」
穂乃果「おじさんの名前は?」
俺「俺か?俺の名前は桧山浩太だ。」
穂乃果「かっこいい名前じゃん。」
俺「そうかい。」
穂乃果さんはとにかく人懐っこい。
仕事帰りの電車の中で今度は和さんに出会った。
和さんは相変わらず体中ボリボリひっかいてた。和さんも俺の膝の上に座った。
和「おじさん、私の名前聞いたっけ?」俺「聞いてないぞ。」
和「私の名前は、紺野和だよ。体がボロボロな私だけどよろしくね。」
俺「俺の名前は桧山浩太だ。こちらこそよろしくな。」
和さんはアトピー性皮膚炎であるためかゆくてかゆくてたまらないようだ。
俺「和さん、皮膚科へ行った方がいいんじゃないか。」
和「昨日皮膚科へ行ったわ。やはりアトピー性皮膚炎だった。」
俺「アトピーじゃ辛いだろな。」
和さんは皮膚科医からもらった塗薬を毎日2回塗ってるようだ。
俺は仕事がうまくいかない時でも電車の中では女の子達が自然と膝の上に座ってくるので癒されてるような気がする。
翌朝、電車内で今度は夢子さんが俺の膝の上に座った。
夢子「おじさん、私の名前聞いてなかったね。私の名前は小樽夢子よ。よろしくね。」
俺「俺の名前は桧山浩太だ。よろしくな。夢子さんはもしかしてだけど。」
夢子「私?私は北海道出身だけど。」
俺「そうだったんだ。」
夢子さんは北海道出身しかも名字のとうり小樽出身だとの事。
夢子「おじさんは北海道へ行った事ある?」
俺「北海道か。北海道は行った事ないなあ。北海道は寒いだろうし。」
夢子「でもね自然がいっぱいあるしおいしい食べ物もたくさんあるよ。」
北国の食材は結構いい値段がする。北海道の食べ物で一番初めに思いつくのがカニだ。タラバガニ・ズワイガニ・毛ガニ・花咲ガニなど。
仕事帰りの電車内で今度は違う少女が俺の膝の上に座った。
少女の名前は、石垣 マドカさん16歳。身長168センチメートル、体重40キログラム。髪型はストレートヘアーで顔はこれまた美人。体形は細めかな。
マドカ「おじさん、おじさんの膝の上すごく気持ちいいね。」
俺「いきなり膝の上に座られたら困るな。」
マドカ「そんな事言わないでよ。私の名前は石垣マドカだよ。沖縄生まれの私だけどよろしくね。」
俺「俺の名前は桧山浩太だ。よろしくな。」
俺「沖縄生まれか。」
マドカ「そう、私は沖縄生まれよ。」
マドカさんも異様なほど人懐っこかった。
俺は電車に乗る度少女に膝の上に座られる。
何故だろう。
金目当てではなさそうだ。
俺は会社では貶されっ放しだが電車内の少女には人気のようだ。
仕事休みの日、マドカさんが俺のマンションへ遊びに来た。
マドカ「おじさん、遊びに来ちゃった。」
俺「マドカさん何でここへ来たのっていうか。何故俺がここにいる事知ってる?」
マドカ「私はお父さんとお母さんと一緒にこのマンションの最上階に住んでる。」俺「そうだったのか。」
マドカさんに笑顔を見ると嫌な事が吹き飛びそうだ。
マドカ「それとこれ沖縄のお父さんとお母さんの実家から持って帰ったんだけど。」
マドカさんがカバンから取り出した物、それはシーサー。
俺「これ、沖縄の守り神の。」
マドカ「シーサーだよ。」
シーサーは沖縄の守り神で災厄をもたらす悪霊を追い払う魔よけの意味を持ち沖縄では高台や屋根の上に設置される事が多いらしい。
マドカ「本当は屋根の上の設置したらいいけどマンションでは屋根に設置する事できないから靴箱の上とベランダの両端に置いてあげる。」
俺「君のは?」
マドカ「私のは部屋にいっぱいあるから。」
マドカさんの実家ではシーサーを製造販売してるらしい。
親切なマドカさんは俺のマンションのベランダの両端にシーサーを置いてくれた。
マドカさんが俺のマンションの靴箱の上とベランダのシーサーを置いてくれてから何故か仕事が捗るようになった。
今まで仕事がうまくいかなかったのは災厄をもたらす悪霊の仕業だったのかも。
翌朝、マドカさんに出会えたのでお礼として缶コーヒーをおごってあげた。
俺「おう、マドカさんコーヒーでも飲むか?今日はおごってやるよ。」
マドカ「ありがとう。おじさんはやっぱり優しいね。仕事は順調?」
俺「仕事がうまくいってびっくりだよ。シーサーのおかげかな。」
マドカ「でしょう。」
俺の出世ぶりに上司もびっくりした。
大平「桧山君、君なかなかやるね。顧客が求めた文章はこれだったんだよ。それにしても桧山君がいきなり出世するとは思わなかったよ。何か秘訣があるのか。」
俺「部長、実は電車の中で知り合った女子学生が沖縄出身で、その女子学生が沖縄の守り神シーサーを僕にくれたんです。その日以来ですね。」
大平「し、シーサー、沖縄の?」
俺「はい、そうです。」
仕事帰りの時、今度は夢子さんに出会えた。
夢子「あらー、お久しぶりおじさん元気?」
俺「元気さ。夢子さん吹奏楽部に所属してるの?」
夢子「そうよ。私はフルートを吹いてるの。」
俺「フルート、懐かしいな。」
夢子「おじさんもフルート吹いた事あるの?」
俺「高校2年の時にな。」
マドカさんもだけど夢子さんも電車の乗ると必ず俺の膝の上に座る。
翌朝、今度は和さんに出会った。
和さんも電車に乗ってる間俺の膝の上に。
和「おじさん、仕事うまい事言ってるみたいやね。」
俺「そうやねー、石垣マドカさんは君の友達かい?」
和「クラスが違うしすれ違う事はあるけど話した事はないね。」
俺「そっか、石垣さんが沖縄の守り神シーサーをくれたんだ。石垣さんからシーサーをもらってからは仕事がうまくいくようになったんだよ。」
和「私は肌がボロボロだし、友達が1人もいないんだ。」
俺「まじか。そりゃ寂しいだろ。」
和「私は生まれた時からお父さんとお母さんにも好かれた事ないの。
学校ではいつもいじめの対象になるわ。」
和さんの話を聞いた俺は心を痛めた。
俺も小学校の時はよくいじめられてた。
和「学校のクラスメイトは私をいじめる理由何と言ったと思う。私が汚くて臭いからだって。」
和さんは学校ではいじめに遭い、家では両親からの虐待を受けてた。
俺は和さんを児童相談所へ連れて行く事に。
児童相談所は俺のマンションから西へ300メートル先のところにある。
和さんは親からの虐待を受けてた事が判明したため、病院でけがの治療を受けた後養護施設 雲雀丘園へ入所する事になった。
和さんは本当は学校へ行くのも嫌だったがとりあえず3年間通う事にした。
和さんにとって児童養護施設 雲雀丘園での生活はとても過酷なものになった。
まず誰1人友達になってくれない。
先輩や先生達は和さんの事を信用しないし、味方になってくれない。
和さんは雲雀丘園へ入所してもいじめや虐待を受け続けた。
その結果人を信用しなくなってしまった。
和さんはアトピー性皮膚炎が完治しておらずまた皮膚科へ通院しなければならなかったが、人を信用しなくなった和さんは皮膚科への通院しなくなった。
雲雀園へ帰ればルームメイトから嫌がらせを受けたり、部屋に入れてもらえなかったりする毎日なので雲雀園へ帰らず路上で生活するようになった。
和さんは1人路上を転々としてた。
1ヵ月後、俺は実に1ヵ月ぶりに和さんに出会えた。
しかし、あの時の人懐っこかった和さんではなかった。
1ヵ月ほど路上生活を続けたのか、髪はぼさぼさで顔は黒ずんでた。
俺は声をかけようとしたが和さんは何所かへ消えてしまった。
あまりにも変わり果てた和さんを見た俺は悲しくなった。
休日、俺は和さんに出会えたので和さんと話し合う事にした。
俺「和さんだね。」
和「あんた誰だったけ。」
俺「俺だよ。和さんは1ヵ月前まで電車の中で膝の上に座ってただろう。」
和「忘れたね。悪いけど帰ってくれる。」
和さんは全く俺を信じようとしない状態。雲雀丘園で何があったのか?
俺は和さんを引き取る事を考えたが今の状態では難しい。
和さんは俺ですら受け付けない状態。
和さんが俺を受け入れるのに相当な時間がかかりそうだ。
マンションへ帰るとマドカさんが待ってた。
マドカ「おじさん、今帰ったところ。」
俺「そうだよ。」
マドカ「紺野さんに出会った?」
俺「一応な。」
マドカ「どんな感じだった?」
俺「変わり果ててたな。1ヵ月前まで俺に懐いてたのに。」
マドカ「紺野さんは最近学校へ来なくなったの。私は紺野さんのクラスメイトじゃないけど心配だわ。」
マドカさんも和さんの事が心配のようだ。
翌朝電車の中で夢子さんに出会えた。
夢子「おじさんおはよう。」
夢子さんは相変わらず電車に乗る時俺の膝の上に座る。
俺「おはよう夢子さん。ん?夢子さん重くなった。」
夢子「昨日焼肉食べ放題へ行ったから体重が増えちゃったみたいなの。」
俺「どうりでか。」
夢子「おじさん、昨日紺野さんに出会った?」
俺「出会ったよ。」
この後夢子さんから衝撃的な話が・・。
夢子「1ヵ月ぶりに出会えた紺野さんどんな感じだった?」
俺「変わり果ててたな。ぐれてたし。」
夢子「そのはずよ。紺野さんがあまりにもかわいそうだわ。」
俺「そのはずって夢子さん知ってるのか、和さんに何が起きたのか。」
夢子「昨日近所の人から聞いたけど、紺野さんは施設でもいじめられてたし先生達から性的虐待を受けてたみたいなの。いじめや虐待を受け続けた紺野さんは人を信用しなくなってしまったみたい。」
俺「まじかよ。」
俺は嘘だろと思い夢子さんから聞いた現実をなかなか受け入れられずにいた。
仕事は順調に捗り徐々に出世する俺。
休日には公園のベンチに座って和さんを待ってた。
和さんはなかなか姿を現さない。
俺は仕事から帰って夜遅くの公園で待ってた。
和「あれ、1週間前に出会った人だけど思い出せないな。」
俺「和さん来てくれたか。」
和「あんた誰?なんで私の名前知ってるの?」
俺は和さんを捕まえて膝の上に座らせた。
和さんはどのくらいお風呂へ入ってないのか分からないが異臭を放ってた。
俺「1ヵ月前まで電車の中でこうして俺の膝の上に座ってただろ。」
和「そうだったね。1ヵ月前までは電車の中でおじさんの膝の上に座ってたよね。今思い出したわ。」
俺「やっと思い出してくれたか。」
和さんはようやく電車の中で俺の膝の上に座ってた事を思い出した。
俺「和さん、言っちゃ悪いけど、何時からお風呂入ってないんだ?」
和「臭う?1ヵ月前くらいからお風呂へ入ってないね。」
俺「どうりで臭うのか。俺のマンションのお風呂へ入らないか?」
和「私は臭くて汚い女の子よ。でも優しいおじさんと一緒ならいいよ。」
俺は和さんをマンションへ連れて帰り和さんをお風呂へ入れた。
和「おじさんは独身?」
俺「あー未だに独身だよ。」
体をきれいに洗った和さんはまだアトピー性皮膚炎が治ってないので肌はただれて顔も相変わらず黒ずんでた。
翌日俺は和さんを皮膚科へ連れて行き塗薬と飲み薬をもらってきた。
そして俺は和さんを引き取る事にした。
3日後、和さんは1ヵ月ぶりに学校へ行った。
学校側が以前のクラスでは和さんに不利があるとして夢子さん達がいるとクラスへクラス替えして事なき得た。
夢子さん達なら和さんの事をよく理解してくれそうだ。
和さんへの虐待に関与した教職員は1ヵ月前に解雇された。
和さんへのいじめに関与したクラスメイトは1ヵ月前に退学になった。
和さんはようやく学校でも平和に過ごせるようになったのだ。
俺「和、朝だぞ。」
和「ふぁ~~い、おはよう。」
俺と和さんは何時も同じ時刻の電車に乗る。
和さんも電車に乗る時は必ず膝の上に座る。
和「アトピーだいぶ治ったみたい。」
俺「どれどれ、本当だ。」
和さんは学校では昼休みには仲良くなった穂乃果さんと夢子さんとマドカさんとはしゃいでるようだ。仕事帰りの時も和さんと一緒に電車に乗る。
今度は夢子さんが俺の膝の上に座った。
和「あ、夢子に私の特等席取られた。」
夢子「いいじゃない。和は何時でもおじさんの膝の上に座れるでしょ。」
和「夢子はフルートが吹けるのね。私にも教えて。」
夢子「いいわよ。」
これからは和さんは俺と共に幸せな日々を過ごすのであった。
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