彼女はいつかバカになる

亞泉真泉(あいすみません)

プロローグ

 現代日本に生活をする人々が『魔法』と聞いたらどんなイメージを持つだろう?


「胡散臭い」

「古ぼけた」

「都合の良い」

「子供騙し」


 そんなネガティブなイメージを持つ人が多いはずだ。


 いや、たとえネガティブであっても、答えられるだけましだろう。


 殆どの人は『魔法』なんかに興味すら持っていないのだから。


 『魔法』について真剣に考えたこともないし、使うために努力を重ねたこともない。

 そういうものがあるとは知っていても、現代人の生活とは関わり合いのない、特殊な文化の一つとしか思っていない。

 それが現代日本における『魔法』の持つイメージといったところ。


 中には、「格好良い」「便利そう」などの良いイメージを持つ人もいるだろうが、そういった形で思い描かれるのは、いわゆる西洋の魔法。

 ヨーロッパを起源とした魔法の体系だ。


 そっちの方は物語の世界で都合良く使われるために、現代でもアニメやゲームなどで抽象化されて馴染みが深い。


 しかし、そんな『魔法』とは異なる、日本における伝統的な魔法の体系。

 いわゆる『邦魔』こそがこの物語の舞台となる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る