第385話 赤のまま大きな墓と小さき墓

 

 

 散歩コースには、いくつかの墓地が点在しています。


 古くからこの集落に住んでいる人たちの御霊は「◇△一族の墓」としてかたまっているのですが、よく見ると、ピカピカの御影石の立派なものもあれば、自然石に近い荒削りの小さいものもあり、しかも小さい墓石はたいてい大きな墓石の裏側に……。


 本家だとか分家だとか、その他諸々の人間関係のしがらみの象徴を見せられているようで、死してのちまでこれではね……いらぬ心配をしながら足早に通り過ぎます。

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