第259話 十一や国道端の宮の森

 

 

 

 

 子どものころ、露店が立ち並ぶお祭りが楽しみだった由緒あるお宮は、前の国道を数多の車が疾走するようになってから、近くて遠い氏神さまになりました。🚙


 遅く生まれた長女のケイコは、老父に連れられてお宮の森の下草刈り奉仕に行くのが、いやでいやで……。そんなとき、空を突く高い梢で鳥が鳴いていました。

 

 ――慈悲心鳥は街道端の宮の森で、現代の十一は国道端で……名詞だけのすっきりした巧みのない詠み振りに惹かれました/「十一」の声を「国道端」の「宮の森」で聞いて、おやこんな近くに「慈悲心鳥」がと驚いたのでしょう。そんな気持ちの機微が上手く表現されていると思いました。/国道とは言っても山に近いところなのでしょう。場所を述べているだけですが、鳥の鳴き声が聞こえてきて、あたりの静けさがいっそう引き立つようです。(ご選評)

 

 メール句会の諸先輩のみなさま方、本当にありがとうございます。<(_ _)>

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