第163話 ぜんまいのすぐ長けて来る日向土手

 

 

 

 

 小さな事業を営んでいたケイコが最も心を砕いていたのは「後継者の養成」。


 自分が引退するときすべてを引き継げる若い人材を……その願いが実現しかけたとき、時代の怒涛が急激に激しさを増し、閉業を余儀なくされてしまいましたが。



                 ☆彡



 なので、一大イベントを直前にして世界の恥さらしになっている今回の一件も、名誉職ならなおいっそう、利害の一致する腰巾着に「先生がいなければこの組織は成り立ちませんよ」とか何とか言われて脂下がり(たぶん)、後継者を育てる努力を怠って来た(実に20年も!)、当の本人の全責任であると断言できるのです。


 ケイコの周囲にも名誉職にしがみつき、つぎにバトンタッチしない高齢者が男女ともにいますが、我執・煩悩の象徴を見せられているようで見苦しい限り。(゜.゜)


 ついでに申し添えれば、先進各国では下位に近いと、不名誉な定説のある日本のジェンダーですが、ここに至るまでに、平塚らいてう、市川房枝、丸岡秀子先生ら先達によるどれだけのご尽力があったか、その結果の現在の恩恵を甘受しながら、日和見的な姿勢に逃げたがる若い世代はあらためて認識する必要があります。(-"-)

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