第116話 川底に邑のあるごと冬日和

 

 

 

 

 冬の川は澄みきっていて、水量が少ない分だけ、底の底まで透けて見えます。


 冬日和、本流から岐れた小川の畔りを散策しながら、イトは思ってみるのです、夜空に鉄道を走らせた宮沢賢治なら、この澄んだ水の下に小さなむらを作るのでは?


 なにしろほら、「小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈です」のフレーズで始まる美しく幻想的な物語『やまなし』を紡ぎ出した作家ですから。ヾ(@⌒―⌒@)ノ

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