君色透明人間 / スズラン
亞屍(あかばね)
君色透明人間
「⋯⋯
「あぁ。」
それが、
「ごめんね。」
じきに
でも、
いい
もう
それら
そして
テレビの
【君色透明人間】
明日が晴れたら死んでみよう 明日は雨と予報され思った
朝、目が覚めると青空の 匂いが鼻を劈いた
こんな晴れた日に死にたくはないな 我儘な僕がそう言った
仕方なしに今日を生きてみた 幸がどこか欠けていた
君のその眼球に映る僕を 見ていたくはなかった
朽ちていきそうなくらいに 廃れて病んだ言葉
君と同じ日に生まれることは 叶わなかったから せめて
君と同じ日に消えたかったが 先に逝くね、ごめんね
明日になったなら死んでみよう 明日は来ると囁かれ思った
逃げ場は作らないと覚悟して 今日を大切に生きた
愛も祈りも義務も労働も 僕らを腐らせるためにあるんだ
腕を掴まれないようにするには 明日を待つしかなかった
君のその眼球に映る僕が 儚く見えてしまった
朽ちていきそうなくらいでも 君に手渡した言葉
君と同じ日に生まれることは 叶わなかったから せめて
君と同じ日に消えたかったが 先に逝くね、ごめんね
君と同じ日に生まれることは 叶わなかったけど だけど
君と同じ日を生きられたことが 僕の幸です
明日が晴れたら死んでみよう 明日は雨と予報されて思った
本当に晴れたらいいのにな どこかで願っていた
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