まっすぐと屈折

春嵐

01

 むかしから、後悔しないように、まっすぐ生きてきた。


 振られたときも、悲しかったけど、切り換えて、その悲しみを胸に押し込んで、なぜ振るんだとか色々聞きたかったこともあったけど、それでも。精一杯の笑顔で、わかった、と答えた。


 後悔はない。


 彼との日々に、間違いはなかった。振られはしたけど、彼との楽しい日々は。なくならない。


 私のなかで、宝物になる。


「さ、仕上げるか」


 彼との思い出の品。捨てるのがまっすぐな生き方か、壊れるまで使うのがまっすぐな生き方か。


 まっすぐ。


 まっすぐ生きるんだ。


 まっすぐ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る