【チュートリアル】技を発動してみよう
チャット欄は最高に盛り上がる。
「影の付け方すごすぎなんだけど、どんだけ時間かけてんの…!?」「うおおお、強そう!」「フェイク=リベリオン家最強!フェイク=リベリオン家最強!」「書き込んだらその通りの技がでるって、どんだけドМプレイしてるんだフェイク=リベリオン家…」「くらえ!エターナルフォースブリザード!」
「少しチュートリアルをしよう!まず武器は、剣や刀や槍等オーソドックスなものから、チャクラムやトンファーなど少しニッチなものまで用意した。よほどマニアックなものじゃない限りは大丈夫なはずだ。そして、その武器の名前と共に動き方と、あと付けたい人は技名を今から30秒間時間を取るので、その間に書き込んでくれ。そうしたら配信画面の右側にオーダーが並んでいくはずだ。チート認識された技や魔法は、発動せずにオーダーから消えるものと思ってくれ。それじゃあ、今から書き込む時間を始める!スタート!!」
そしてチャット欄はすごい速さで流れ始める。
それぞれが思い思いの武器や動き、技名を書いていく。
中にはこの段階でスパチャを投げる猛者もおり、魔法の技名を書き込む者もいる。
オーダーが次々と並んでいき、あっという間に30秒が過ぎ去った。
「よし、終了だ!みんな結構書き込んでくれたな。それじゃあ、早速反映させる時間に移ろうと思う!どんな風に反映されるか、我々の本気を見ていってくれ!!」
参列者たちがどんどん増えていき、それぞれが武器を手に取る。
そして各自待機モーションに入った。
「さあ、攻撃開始だ!」
僕の言葉を合図に、一斉に攻撃が始まる。
ある者は剣で上段から斬りつけ、ある者は槍で刺突を素早く繰り返す。
中にはスタイリッシュに2丁拳銃を操る者や、大砲を繰り出してぶっ放す者もいた。
皆パーティーの衣装を着たまま戦っているので、とても華やかだ。
3D配信ではないのに、妙にリアル感が演出され、まるで自分がアニメの世界に紛れ込んだかのように思えてくる。
しかし、ここで目を引かせるものはそれだけではない。
技名だ。
技名が書き込まれた攻撃には発動時か、攻撃が当たる瞬間にカッコいい吹き出しやフォントで装飾された技名が強調される。
もちろんドラゴン自体が大きいので、技名は相対的に小さくなってしまうが、それでも掠れずに存在を主張してくる。
たまらずコメント欄が盛り上がった。
「技名かっけー!」「入れればよかった!」「これ魔法とかに着けたらめっちゃかっこよさそう。」「今から技名考えとかないと…!「誰だよ満月大根切りって入れたやつ…俺だよ…わかってたら別の入れたわ…」
「どうだ我が家の力は…!細部にまで手を抜かない、圧倒的な仕事量だろう?君たちもワクワクしたはずだ。自分の考えた技や魔法を再現したいと思うのは誰だってそうだろう。今日くらいは大人の皮を脱ぎ捨てて、みんなで年甲斐もなくはしゃごうじゃあないか!!」
チャット欄が徐々に「うおおお、フェイク=リベリオン家最強!フェイク=リベリオン家最強!」「レイフ最強!レイフ最強!」「フェイク=リベリオン!フェイク=リベリオン!」といったコメントで埋め尽くされていく。
「さあ!いよいよ本番だ!君たちの本気を見せてくれ!我が家に仕事が追い付かない敗北を味合わせてくれ!本番は書き込みを待つ時間など設けない!すぐに反映して見せよう!ではいくぞ!ゲーム開始だ!!」
そしてドラゴンはその戦意を示すかのように、再び天高く咆哮を上げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます