第24話 禁断の恋。~先生ver.~



教え子で











妻の友達で










同じ職場の部下になった彼女を






好きになってしまった――





大手塾を経営している父親と専業主婦をしている母親




父親は忙しくて家にあまり帰ってこなかった




結婚記念日、母親や俺の誕生日ももちろん…




帰ってきても『おめでとう』の一言もない




そんな家庭だった




だからなのか




母親は俺に父親の跡を継がせるのを嫌がった




俺まで父親のような人間になってほしくなかったから




だから母親に言われるがまま




公務員への道を歩み教師になった




「綾部、相変わらずお前の靴箱すごいな~」




「川端…」




「今日もお前の机の上すごいんだろうな~こんなに生徒にモテて羨ましいよ。」




靴箱の中に入っていた手紙を鞄の中にしまい職員室へ向かう。




「うぉ~そっか、この時期はさらにお前の机ひどいな!」




そう入学式が終わると化学部への入部の紙が机の上に散乱する。




「綾部先生よかったら食べてください。あと化学部絶対入部しますだってよ~」




「お前の机の上にも入部届けいっぱいじゃないか。」




「はぁ~おれはサッカー部だから男だらけだよ。お前みたいに女子生徒からプレゼントとか全然ないんだよな。」




「だけど最初だけだよ。みんな来なくなる…これだけ入部して去年なんて一ヶ月で誰も来なくなったよ。寂しいもんだよ。」




「あの…綾部先生。」




後ろを振り向くと見たことがない女子生徒が立っている




見た目はまだ制服をいじっていない真面目に見える普通の女子生徒




その時はまだ俺は知らなかった――




その女子生徒とこれから傷つき、傷つけあい、周りの人も巻き込む恋愛をするなんて…




「入部届けお願いします。」




差し出された入部届けは微かに震えている




「あぁ…」




頬を少し赤らめながら話してくる姿を見て




正直俺に好意を持っていることは伝わってきた




そういう女子生徒はたくさんいたから…




23歳の俺は女子高生からすれば若い大人だからそういう対象にみてしまいがち




だけどそれは一瞬の過ちでいい男はそこら辺にたくさんいるってすぐにわかって




化学部から…俺から離れていくんだ





「早瀬 奈々、一年生か。今日は部長が顔を出すと言っていたから来てくれるか?」




「はい。」




「部長が説明すると思うが本格的な部活でもないから、毎日来なければならないってことはないから。」




「…私。」




「ん?」




「私は毎日来ます!化学部に毎日顔を出します。」




「え…」




奈々は一礼をして職員室から逃げ出すように出て行ってしまった。




「毎日来るだって…一途な子もいるもんだね~」




「…来なくなるよ、きっと。」






奈々はあの時のこと覚えていないかもしれないけど




俺は初めて奈々に会ったあの職員室での出来事をしっかり覚えている




奈々のまっすぐな気持ちが嬉しかったんだ


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