脱出ゲーム

僕の目に真っ先に飛び込んできたのは、淡く烟る赤だった。

窓の外を見る。夕日だ。

憎らしいほどの夕日が、静まり返った室内を赤く染めているのだ。

耳を澄ます。

まるで人が消えてしまったかのように、校舎の中にも外にも、音がない。

静寂が痛い。

「みんな、どこ……?!」

僕は教室を飛び出した。



(フリー画像「夕日に染まった教室」より)

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